キルギス大統領が辞任表明、議会選後の混乱受け

2020/10/15 18:27
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【モスクワ=小川知世】議会選の結果を受けて政治危機が続く中央アジア・キルギスのジェエンベコフ大統領は15日、辞任を表明した。野党指導者のジャパロフ氏が14日に首相に就任し、大統領の即時辞任を求めていた。ジェエンベコフ氏は国内の分断を防ぐために辞任に応じるとして、早期の混乱収拾を訴えた。

ジェエンベコフ大統領は議会選後の混乱を受けて辞任を表明した(写真は4日、ビシケク)=キルギス大統領府提供・ロイター

キルギスでは4日の議会選で与党の圧勝が発表され、不正を訴える野党勢力の抗議が起きた。選管当局は議会選の結果を無効としており、年内にも再選挙が実施される。大統領の辞任で野党支持者の抗議は沈静化するとみられるが、再選挙に向けて不安定な情勢が続く可能性もある。

ジェエンベコフ氏は声明で「首都ビシケクの情勢は緊迫している」と述べた。新内閣の承認後も大統領辞任を訴える抗議が続き、治安当局との衝突に発展することに懸念を示した。「流血の事態を引き起こした大統領として歴史に残りたくない」と辞意を明かし、国民に団結を呼びかけた。

憲法の規定では大統領辞任後は議会議長が代行を務め、大統領選を3カ月以内に行う。新首相のジャパロフ氏を中心とする野党勢力は今後の選挙で体制を固める考えだ。

今回の騒乱の背景には南北間の地域対立や、新型コロナウイルスを受けた経済の悪化がある。

キルギスではソ連から独立した1991年以降、政変が繰り返されてきた。コロナでロシアなど国外の出稼ぎ労働者からの送金が減り、失業者も急増した。生活水準の低下で政権への不満が高まっていた。コロナ前から中国への対外債務も膨らみ、経済対策が課題となっている。混乱の火種は残り、新政権は難しいかじ取りを迫られる。

新首相のジャパロフ氏は2013年に違法な集会を組織したなどとして実刑判決を受け、議会選後の抗議デモで収監先から解放された。ジャパロフ氏は14日、ロシアとの良好な関係を維持するとの外交方針も表明した。

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