ダイドーGHD、マレーシア撤退 コロナで飲料販売低迷
ダイドーグループホールディングスは15日、マレーシアでの飲料販売事業から撤退すると発表した。東南アジア市場の開拓を狙い参入したが、赤字が積み重なっていた。新型コロナウイルスによる外出自粛で現地での飲料の販売は低迷しており、回復が見込めないことから撤退を決めた。
連結子会社であるダイドードリンコマレーシアの債権を放棄し、株式はシンガポールの投資会社に売却する。債権の放棄額は約3億7000万円。債務超過となっていることなどを考慮し、売却額は10リンギット(約255円)となった。
マレーシア市場への参入は2015年。日本の飲料市場の販売競争が激化していることを受けて、東南アジア市場の開拓を目指したがマーケティング活動がうまくいかず、認知度を上げられなかった。
直近では新型コロナによる外出自粛で販売が厳しい状態にあった。コロナ禍が長期化する可能性を考え、15日の取締役会で売却を決議した。
マレーシア子会社の20年1月期の売上高は12億円だが、最終損益は7億円の赤字だった。
これを受けて、ダイドーグループホールディングスは21年1月期の連結決算で約1億2000万円の特別損失を計上する見込みだ。通期業績予想の修正はないが、「今後開示すべき事象が発生した場合は速やかに知らせる」(同社)としている。