あれから七十五年 戦後引揚と援護、二十三人の体験記
この一冊 堀田広治監修

福岡
2020/10/18 13:00
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博多港を舞台とした戦後の引き揚げ記だ

博多港を舞台とした戦後の引き揚げ記だ

終戦直後の博多港では、朝鮮半島や満州から引き揚げてきた日本人や、祖国へ戻る在留外国人を乗せた船が行き交った。本作は大陸から引き揚げた12人と、港湾業務や外国人の送り出し、帰国孤児の支援に関わった11人の体験談で構成する。

終戦で財産を失った日本人が現地の港に向かう旅路を描く。略奪や感染症、飢餓の危険にさらされ、物乞いをするなどして何とか船に乗り込んだ。引き揚げを支えた検疫官らの話では、博多港への上陸目前で息絶えた人がいたことなども語られる。

当時は福岡大空襲で市街地は焼け野原となっており、引き揚げ者を見た市民も少なかった。戦後75年を迎えた今、当時の博多港を知る貴重な話だ。

図書出版のぶ工房(電話092・531・6353)発行。1500円(税別)。

=10月15日付日本経済新聞朝刊九州文化面掲載

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