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寺地との大一番に期待 ボクシング・京口紘人(下)

2020/10/18 3:00
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京口紘人のライトフライ級は上限体重が48.9キロ。全17階級のうち、下から2番目に軽いクラスだ。だが、最軽量級のミニマム級(47.6キロ)でプロデビューし、いきなり6連続KOをマークした当初から、軽量級の枠に収まらないスケールを示してきた。

「見ていて飽きない試合」を理想とする(2度目の防衛を飾った2019年10月の久田哲也戦)=共同

「見ていて飽きない試合」を理想とする(2度目の防衛を飾った2019年10月の久田哲也戦)=共同

それは京口本人が自負してきたボクサーとしての「本分」でもある。「軽量級って非力な印象が強いと思うけれど、そういうイメージを覆すボクシングをしたいと思っている。見ていて面白い、飽きないファイトスタイルが自分の理想」

上体を前傾させ、ぐいぐいプレッシャーをかけながら左右のパワフルなパンチをコンビネーションで繰り出していく。得意の左ボディーと並ぶ京口の代名詞といえるパンチがアッパーだ。打つ瞬間にガードが空き、被弾のリスクが大きいアッパーは勇気が要るが、京口は天まで突き抜けそうな大胆な一撃を惜しげもなく振るう。

国際ボクシング連盟(IBF)の赤いベルトを巻いたミニマム級では減量苦が限界に達し、最後は試合中に足をつるなどしていた。2度防衛後に王座を返上し、階級を上げてからはパワフルなボクシングを存分に発揮できるようになった。

これまでの全14戦で「一番納得できた試合」は、2階級制覇を達成した2018年大みそか、マカオでの一戦。王者のヘッキー・ブドラー(南アフリカ)は、ジムの先輩の田口良一からベルトを奪い去っていた。あだ討ちの挑戦でボディー、アッパーをこれでもかと浴びせ、最後は棄権に追い込む完勝だった。

通常のボクシング練習に加え、1年以上前からフィジカルトレーニングにも力を入れる。筋肉がつくことは減量苦と隣り合わせだが、一日に何回も体重計に乗るなど自己管理は徹底している。デビューからコンビを組むトレーナーの井上孝志も「自分の考えを持っていて、びしっとしている。手がかからない」と全幅の信頼を置く。

来月で27歳。ボクサーとして最も脂の乗る時期にさしかかる。「まだ成長の余地はあると思う。WBA(世界ボクシング協会)とIBFのベルトは取ったから、WBC(世界ボクシング評議会)とWBO(世界ボクシング機構)のベルトも欲しい」と夢は広がる。

そして、同じ階級に自他共に認める格好の好敵手がいる。WBC王座を7連続防衛中の寺地拳四朗(28)だ。プロ入り前の大商大時代、2学年上だった関西大の寺地とは4度対戦し、1勝3敗だった。「本当に強いし、リスペクトしている。でも、アマチュアとプロでは全く違う」という京口の言葉に、かすかな対抗心がのぞく。童顔の裏に倒せるパンチを隠し持つ強打者同士。来月3日の試合をクリアすれば、大一番を期待する声はさらに高まるだろう。

=敬称略

(山口大介)

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