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Zoom、使い勝手向上へ25社連携 slackなど利用可能に

新興クラウド連合でMicrosoftに対抗

(更新)
ズームが紹介した主なアプリの連携企業。まず25社程度と組む。

【シリコンバレー=佐藤浩実】ビデオ会議「Zoom」を運営する米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは14日、書類共有の「ドロップボックス」など他社製のアプリと連携しやすくすると発表した。資料を一緒に見ながら議論したり、会議中に投票アプリで採決を取ったりしやすくなる。企業向けのクラウドサービスを扱う新興企業が組み、米マイクロソフトなどに対抗する。

14日に開いた顧客向けの年次イベントで「Zapps(ザップス)」と呼ぶアプリ連携の仕組みを披露した。ズーム上のアイコンを押すだけで、画面を切り替えることなくチャットの「スラック」や仮想ホワイトボードの「ミロ」などを使えるようになる。2020年末までにサービスを始める計画で、まずは約25社との協業を決めた。

2020年末までに、ビデオ会議「ズーム」の画面上で他社のアプリを利用できるようにする

開発を担当したズームのロス・メイフィールド氏は「会議中や前後に使う『ベスト・オブ・ブリード』を集めた」と話す。ベスト・オブ・ブリードとはIT(情報技術)業界の言葉で、用途ごとに最も優れているソフトウエアを組み合わせることを指す。実際にズームがイベントで見せたプレゼン資料には、成長著しいクラウド企業のロゴが並んだ。

ズームはこれまで、音声や映像の途切れにくさといったビデオ会議の基本性能の改良に集中してきた。ここにきて他社との連携強化にカジを切るのは、米マイクロソフトや米グーグルなど1社であらゆる職場向けアプリを提供するIT大手と互角に戦い続けるためだ。

とりわけ新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が広がった今春以降、IT大手はビデオ会議サービスへの投資を一段と強めている。例えば、会議の途中で少人数に分かれて話し合える「ブレイクアウトルーム」。長らくズームの看板機能だったが、9月にはマイクロソフトが「Teams(チームズ)」に同様の機能を採用すると表明した。10月にはグーグルも「Meet(ミート)」に導入している。

ズームのエリック・ユアン最高経営責任者(CEO)は1年前の顧客向けイベントで「(チームズなどは)ビデオの品質がよくない」と一蹴していた。ただ、使い勝手の良さだけでは相対的に規模の小さな企業が単一のアプリで戦う難しさも浮き彫りになりつつある。

例えば、アプリの連携先の一つでもある米スラック・テクノロジーズ。マイクロソフトがチームズを始めた当初はたかをくくっていたが、コロナ下で大企業とのパイプが太い同社の攻勢にさらされた。チームズを利用している米衣料品メーカーのIT担当者は「1社で完結できるほうが楽だ」と言う。

10月に企業向けサービスの名称を「グーグル ワークスペース」に変更したグーグルも、メールや予定表といった自社サービスを横断して使いやすいよう仕様変更を進めている。

ズームの年次イベントに参加したユーザーの数は5万人を超え、3年前の100倍、1年前と比べても20倍近くに増えた。株価は1年間で約7.2倍になり、コロナ下のデジタル変革を象徴する企業であることに疑いはない。働き方の進化を促すクラウドサービスへの需要が続くなか「スーパーアプリ」の様相を強めるIT大手と個々にサービスを磨く「新興クラウド連合」の戦いが激しさを増しそうだ。

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