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コロナ禍の過密日程乗り越え初防衛 将棋・永瀬王座

久保利明九段(左)を破り、初防衛を果たした永瀬拓矢王座(14日、甲府市)

「過密日程で将棋が嫌になったりはしないんですけど、頭がおかしくなるんですよね」。永瀬拓矢王座(28)は14日、王座戦第5局を制しタイトルを初防衛した後で、そう話して笑ってのけた。盤上だけでなく、コロナ禍に伴う過密日程とも戦いながらの五番勝負だった。

永瀬王座の2020年度ここまでの対局数は36局。日程の過密さがワイドショーなどで大きく採り上げられた藤井聡太二冠(18)や豊島将之二冠(30)の28局を大きく上回り、全棋士のなかでも断トツだ。

コロナ禍は将棋界にも大きな影響をもたらした。4~5月の緊急事態宣言を受けて一部の対局が延期に。宣言が解除されてからは、延期された分を消化すべく急ピッチで対局が組まれた。

永瀬王座はそれらの多くの棋戦で勝ち抜いた。棋聖戦、王位戦は相次ぎ挑戦者決定戦まで進出したものの藤井二冠に敗退、初の防衛戦となった叡王戦七番勝負は、持将棋(引き分け)2度で異例の「九番勝負」となった末に失冠。14日の王座戦で敗れていれば、長い苦労を続けた末に無冠になるという最悪の事態となるところだった。

「羽生(善治)七冠の時はどれくらいの忙しさだったんですかね?」。純粋な興味からだったかもしれないが、五番勝負中の永瀬王座からそんな質問を受けたこともある。練習将棋を指す間柄の盟友、藤井二冠からは「寝た方がいい」というアドバイスをもらい、睡眠時間を維持することを心がけたという。「過密日程の中でも将棋の内容は悪くなかった。実力は出せた。それが収穫です」。そう胸を張った。

叡王戦と王座戦という長いダブルタイトル戦を終えた永瀬王座には、報道陣から「ゆっくりしたい」という答えを求める質問が繰り返し飛んだ。だが永瀬王座は「谷川先生(浩司九段)が書かれてましたが、『(タイトルを)防衛するだけ』だと大変だと感じました。挑戦してよい形にしたい」と前を見続けた。

王将戦では7人で争う挑戦者決定リーグに入り、棋王戦はベスト4進出、順位戦B級1組は6連勝で首位を走り、初のA級をうかがう。挑戦権を目指す戦いはまだまだ続く。

次の対局は、20日の王将リーグ・木村一基九段戦。これまでの過密ぶりと比べれば、中5日は少しだけ余裕のある日程だ。

(柏崎海一郎)

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