トランプ氏、選挙監視員5万人募集 投票妨害の懸念も

米大統領選
2020/10/14 22:14 (2020/10/15 5:06更新)
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銃を持って選挙集会に参加するトランプ支持者=ロイター

銃を持って選挙集会に参加するトランプ支持者=ロイター

【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は残り3週間を切った大統領選で、不正行為を告発する「選挙監視員」を各地の投票所に計5万人配置する方針だ。トランプ氏の大統領再選を望む過激な武装勢力が投票所の周りに集まり、民主党支持者の投票を妨害するとの懸念も出ている。

「トランプ選挙監視員のボランティアにきょう応募して!」。トランプ氏は13日、ツイッターに書きこんだ。米メディアによると、トランプ陣営の法律顧問は保守派団体に対し、5万人の監視員を募集すると呼びかけた。「トランプ軍」と自称し「目的はトランプ氏を再選させることだ」と豪語する監視員もいる。

選挙監視員の役割は18世紀から存在する。有権者の投票資格や二重投票の有無などをチェックする。政党や選挙陣営が投票所や選挙区ごとに数人を指名し、州当局が選挙前に承認する例が多い。南部ノースカロライナ州は「倫理的に優れている」ことを監視員の要件にあげるが、具体的な条件を示す州はわずかだ。

選挙監視員は集計作業を至近距離で監視し、不正疑惑を発見すれば異議を申し立てられる。トランプ氏は自らが主張する「選挙不正」がないか見張らせる意向だ。同氏は9月下旬、東部ペンシルベニア州の期日前投票所から選挙監視員が閉め出されたとして「悪いことが起きている」と不正疑惑を主張した。

激戦州のペンシルベニアやノースカロライナ、中西部ウィスコンシン、ミシガンなどは公の場で銃を携帯する「オープンキャリー」が許されている。銃規制派団体は9月下旬、投票所への銃の持ち込みを禁じる法律が未整備だとして「武装勢力が米国民の投票を妨害する懸念がある」と強調した。監視員が武器をちらつかせ、民主党支持者が投票しないよう脅す恐れがあるという。

過去にも投票妨害の事例がある。1981年の東部ニュージャージー州知事選で、共和党がマイノリティー(少数人種)の多く住む投票所周辺に武装した人を配置したとして、民主党は投票妨害だと訴えた。共和党は是正措置を講じることで合意したが、2018年に合意が失効。再び武装が可能になった。

武装した支持者への懸念は強まる。米連邦捜査局(FBI)は13日、武装した右派集団が南部バージニア州のノーサム知事の拉致を企てていたと明らかにした。同集団はミシガン州のウィットマー知事の拉致も計画していたという。両知事は民主党所属で、トランプ氏と激しく対立していた。

米メディアによると、民主党の大統領候補に指名されているバイデン前副大統領の選挙陣営も21州で選挙監視員を投票所に配置する計画だ。投票所で両候補の支持者が衝突する恐れもある。

米選挙では大統領候補だけでなく上下院議員、地方自治体の保安官や教育長、裁判官などの候補にも投票する。投票所ではタッチパネル端末で選ぶ形式が多い。住民投票も実施することがあり、16年大統領選ではフロリダ州などで大麻合法化を巡る投票を実施した。

米国には住民基本台帳がないため、自ら有権者名簿に登録する必要がある。各州で登録期限は異なり、既に締め切った州が多い。バージニア州では、オンライン登録が一時できなくなった。ノーサム知事はシステムの不具合が原因として登録延長を検討するが、トランプ氏が選挙不正を主張する口実にもなりかねない。

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