ダイハツ・タフト 欠点の騒音が改善、圧倒的な開放感
今回の目利き 米村太刀夫氏
ダイハツの新型車「タフト」を初めて見たとき、その角張ったスタイルからスズキのジムニーの対抗車を想像した。しかしタフトは本格的なオフロード車をめざしたジムニーとは異なり、車体に通常のモノコック構造を採用して多目的スポーツ車(SUV)にふさわしい最低地上高と大きなアプローチアングルとデパーチャアングルを確保したクルマである。


エンジンはノンターボとターボ付きの2種類、前輪駆動と四輪駆動が選択できる。試乗車は前輪駆動のターボエンジン搭載車「Gターボ」を選んだ。走り始めて最初に感じたのは、運転席で聴く各種の騒音が少ないことで、これは特筆できる。ダイハツは最近スプリットギア方式の新しい無段変速機(CVT)を採用しているが、これによって発進加速性能と燃費の向上を目指している。ただ、この新機構はギア変速時のショックとギアのかみ合う騒音が気になっていた。新型タフトに搭載されたCVTはこの欠点が改善されているようだ。

タフトは全車にガラスルーフのスカイトップが採用されていて、クルマに乗り込んだ瞬間にその開放感に圧倒される。太陽光が強すぎるときには、下側にスライドできるシェードを引けば普通のクルマと同じになる。電動パーキングブレーキが全車標準になった。従来の足踏み式や、レバーを引く駐車ブレーキに慣れたドライバーにとって、センターコンソールにある小さい電動パーキングレバーを引くことで駐車ブレーキが作動するのに多少違和感があるだろう。しかし「EPBシフト連動機能」をオンにしておけばシフトをPレンジに入れた瞬間電動パーキングブレーキもオンになる。
少し高めな座面のシートに座っての居住性は、前方視界が優れているので安心感がある。後席の座り心地も足下が広いので快適である。試乗車のタフトは、主にこのクルマをアウトドア等のレジャーに使うことを想定しているが、通常の足に使っても使い勝手が良さそうだ。
(自動車評論家)
[日経産業新聞2020年10月15日付]
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