リコー、AIで請求書管理を自動化
リコーは14日、企業向けに請求書や納品書を管理する業務を人工知能(AI)を使って自動化するサービスを19日から首都圏で販売すると発表した。文書管理のIT(情報技術)システムを手がける傘下の独ドキュウェアのソフトウエアを、自社サービスと組み合わせて書類同士の突き合わせや仕分け、入力作業を自動化する。新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークや紙書類の電子化が進むなか、事務の効率化を後押しする。
紙の請求書をスキャンしたデータやメールで受け取った文書ファイルの文字情報をAIが読み取り、支払先の社名や費目の種類、金額などの情報をもとにデータを整理する。対応する請求書と納品書のデータを突き合わせて仕分けるほか、データを自動で数表にまとめる。担当者はチェック作業に集中でき、内容に修正を加えることでAIの精度を向上させることができる。
会計など他の業務システムとつなげてデータを自動で処理できるほか、上長の承認など従来は紙の書類を渡して進めていた業務もソフトウエア上で完結できるようにした。請求書のほかにも、商品の受注処理や契約書の管理、製造業での図面や規格書の整理などにも同様の自動化サービスを提供する。
料金は規模やメニューにもよるが、最小のシステム構成で年額30万円から。企業の業務に応じて別途システムを構築するなど費用が発生する。まず首都圏で実績を積んで2021年1月から全国に広げる予定で、小売業など他の業種でも業務に応じたサービスを開発していく。3年間で1000社への導入を目指す。(橋本剛志)