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介護施設の面会制限緩和へ 感染対策の徹底急ぐ

(更新)
アクリル板越しに面会する介護施設も(9月、東京都国分寺市)=共同

厚生労働省は13日、新型コロナウイルス対策として続けてきた介護施設での面会制限を緩和できるようにすることを決めた。家族と触れ合う機会の減少による認知症の悪化を懸念する声の高まりに対応した。高齢者は重症化リスクが高く、厚労省は今後、面会に当たっての具体的な感染防止策などを検討する。

面会制限の緩和方針は、13日に開かれたコロナ対策を助言する厚労省の専門家組織「アドバイザリーボード」で示され、了承された。厚労省は、みとりなど緊急の場合を除いて介護施設での面会を中止するよう求めてきたが、必要な感染対策を取ることを条件に今後は面会を認める。

国が方針を転換した契機の一つは、広島大などが介護・医療施設などを対象に実施し、8月に発表したオンライン調査の結果だ。回答した施設の38.5%が、面会制限などの生活の変化で認知症の状態に影響が生じたと答えた。

「認知症の人と家族の会」(京都市)が9月に実施したインターネット調査では、同様の回答が約半数を占め、10月7日に制限緩和を求める要望書を厚労省に提出している。

厚労省によると、12日時点で高齢者福祉施設でのクラスター感染は累計で196件。最近は減少しており、こうした足元の状況も今回の判断を後押しした。

「入居者も家族も直接会うことで心の安定を得られる」。東京都八王子市の特別養護老人ホーム「恩方ホーム」の田中康弘施設長は緩和措置を受け、平日に制限している面会機会の拡大を検討するという。

もっとも感染が収束しないなかでの緩和を喜ぶ施設ばかりではない。

家族や入居者の意見を聞いた上で、地域の感染状況を踏まえて施設ごとに判断するというのは、近畿や首都圏で介護付き有料老人ホームを展開するチャーム・ケア・コーポレーション。「首都圏では繁華街に近い施設もあり、慎重にならざるを得ない」(担当者)

東京都文京区の介護付き有料老人ホーム「杜の癒しハウス文京関口」の柳沼亮一施設長は「入居者と職員が検査を最優先で受けられるなど、行政には感染が発生した際の対応も示してほしい」と求める。

厚労省は面会を再開するかどうかの最終的な判断は施設側に委ねるとする一方、感染防止に配慮した面会方法などの具体例を示す方針。

既に神奈川県はガイドラインを公表し、ついたて越しでの会話や専用スペースを設けた上での完全予約制を導入した施設を紹介している。国や自治体、介護事業者らが知恵を出し合い、感染を恐れずにすむ面会の環境づくりが求められそうだ。

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