/

「まろ」さん、アクティブ投資で人生いいことだらけ

投信ブロガー

ブログ「投資を楽しむ♪」を運営する「まろ」さんこと吉田喜貴さんは、東京都内で会社員の妻と2人で暮らす42歳の男性(住宅ローンなし)。個別株式の投資収益や配当収入を生活の糧にする傍ら、ESG(環境・社会・企業統治)投資の普及を目的に活動するNPO法人「日本サステナブル投資フォーラム(JSIF)」の運営にも携わっている。

ブログ名は「株式投資を通じて世の中を学んで楽しむ」を縮めたもので、ブログ内容は投資関連のほか、書評や料理など多岐にわたっている。アクティブ投資抜きに今の自分はなかったという「まろ」さんの資産運用を聞いた。

就職氷河期に株式投資で奮起

――どんなきっかけで投資を始めたのですか。

「大学4年生だった2000年の春に、母から『将来の年金はあてにせず株式投資でも始めなさい』とへそくりの100万円を渡されました。ちょうど就職氷河期で仕事がなかなか見つからず、何とか就職できた会社はITバブル崩壊のあおりで仕事がなくなり1年ほどで退職してしまった経緯もあり、『株式投資で世間を見返してやる』と奮起しました」

「ところがITバブル絶頂期に株式投資を始めてしまったため、買ってすぐに半値になってしまいました。落ち込みましたが、失敗の原因は知識不足にあると気を取り直し、会計の勉強に打ち込みました。おかげで、20代半ばごろには税理士事務所に働き口を見つけることもできました」

――ブログはいつごろ始めましたか。

「1998年からウェブサイトを運営していたのですが、2005年に更新が容易な汎用のブログに乗り換えました。最初は自分の知識や情報を整理して置く場所として使っていましたが、それが外部の方の目に留まり声を掛けられたこともあり、ブログに文章を載せておくと『何か面白いことが起こりそう』という思いで続けています」

株主として誇れる企業に投資

――資産配分はどのようにしていますか。

「リスク資産の大部分が個別株で、投資信託は全体の1割程度。株式に投資するアクティブ(積極運用)型が主体です」

「投資先選びには、『日本でいちばん大切にしたい会社』(坂本光司著)を読んだことが大きく影響しています。それまでは、財務・会計情報のみに着目した個別株投資一辺倒だったのですが、『株主として誇れる企業に投資したい』と思うようになりました。著名企業家でパナソニック創業者の松下幸之助氏が50年以上前に唱えた『株式の大衆化が国民を豊かにする』という考えにも強く共感しています」

「相場急落時の逆張り投資を基本としているため、コロナショックを受けた3月は絶好の買い場になりました。短期で売却せずに、配当をもらいながら長期で保有し続けます」

「ただし、身近だからといって日本株を買い過ぎないよう、日本株の割合は5割未満にしています。日本株4割、先進国株6割の比率が理想です」

――保有する投資信託について教えてください。

「一般NISA(少額投資非課税制度)で保有しているのは鎌倉投信の『結い2101』1本のみです。その他、iDeCo(個人型確定拠出年金)では社会保険料控除を受ける目的で、毎月の掛け金の上限額である2万3000円を積み立て投資しています。妻もiDeCoを活用しています(図A)」

「『結い2101』は投資への入門ファンドとして初心者に向いています。運用資産に占める現金の比率が4割程度で、株式相場の高騰には追随できませんが、大きな損もしにくくなっています。投資先企業について詳しく紹介しており、株式投資が社会にとってどういう意味を持つのかを学べます。投資初心者ではない私も『いい会社に投資する』運用の趣旨に共感し、購入を続けています」

アクティブ投資を通じて世界を学ぶ

――アクティブ投資での成功体験や失敗談はありますか。

「株式と投信のアクティブ投資は、私にとっていいことだらけでした。株式の勉強で職を得られたことで就職氷河期でのつまずきも立て直すことができ、配当収入により生活も安定して人生が豊かになりました。妻とめぐり合えたのもなんと鎌倉投信がきっかけ!人生を通じてアクティブ投資の恩恵を受け続けています」

「アクティブ投資を追求する中で、投資の社会的意義にも関心を持つようになりました。投資を通じて何らかの社会的責任を果たせるはずと考え、より良い未来をもたらすのはどんな企業かを探求し続ける投資家でありたいと思っています」

「株主優待だけを目当てにした株式投資は、企業を見る目が甘くなり大抵失敗しています。割引サービスに魅力を感じて購入した最寄り百貨店やレストランの株は見事に大きく元本割れしてしまいました」

インデックスファンドの積み立て投資は堅実な土台

――これから投資に踏み出す方へアドバイスを。

「投資の最初の一歩を踏み出すのに躊躇(ちゅうちょ)するなら、まずは大学受験向けの政治経済の参考書で経済について学んでみるとよいです。投資を通じて世の中のことをもっと知りたいと感じたら、その時に投資を始めてはどうでしょうか。短期でみると、投資で得られるお金は給与収入に比べて微々たるもの。投資の成果は長期に継続することではじめて実感できると思います」

「私自身はアクティブ運用を主体としていますが、資産形成の土台にはインデックスファンドの積み立て投資を選ぶのが堅実です。そのうえで投資を通じて得た知識を仕事や日々の生活にも生かしたいといった目標があれば、アクティブファンドや株式に視野を広げてみるのをお勧めします」

「私の周りの自営業者の中には、アクティブ投資に取り組むことで経済や経営について理解を深め、経営判断に役立てている方もいます。リターンがインデックス運用に多少劣ったとしても、アクティブ投資は人生に思いがけない彩りを添えてくれるかもしれません」

(QUICK資産運用研究所 聞き手は西本ゆき、高瀬浩)

すべての記事が読み放題
まずは無料体験(初回1カ月)

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン