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米研究機関に外国資金の開示要求 国務省、中ロ念頭に

(更新)

【ニューヨーク=白岩ひおな】ポンペオ米国務長官は13日、米国の外交政策に関わるシンクタンクなどの機関に対し、外国からの資金提供をウェブサイト上に開示するよう求めた。資金提供を通じて米国の政策立案に影響を及ぼそうとする中国やロシアなどをけん制する狙いがある。

ポンペオ米国務長官は米国のシンクタンクを通じた外国政府による政策介入を警戒する=ロイター

ポンペオ氏は声明で「外交政策の遂行にシンクタンクが果たす特有の役割が、外国資金をめぐる透明性を今まで以上に重要なものにしている」と説明。「中国やロシアなど一部の外国政府が米国の外交政策に影響力を行使しようとしていることに留意しなければならない」と述べた。

開示対象とする外国政府からの資金提供には、外国の国有または国営企業からの資金提供を含む。資金源の開示は国務省がシンクタンクとの委託契約などを検討する際の「要件とはしない」としたものの、開示の有無や特定の資金源とのつながりを考慮する方針を明らかにした。

トランプ政権は米国の教育や研究分野における中国政府の活動に監視を強めている。中国は対外的な世論工作を担う中央統一戦線工作部という組織を持つ。スタンフォード大学フーバー研究所が4月に発表した報告書は、大使館職員や中国研究者などを通じて「中国が米国のシンクタンクに手を伸ばしている」と指摘する。

シンクタンクに所属する研究者の一人は、中国当局が「脅威と称賛の両方を用いて影響を与えようとしている」と証言した。米国のシンクタンクが台湾や香港、チベットなどの問題を取り上げる際、内容や招待する学者などについて当局が注文を付けるケースもあったという。

米司法省は今年に入り、中国政府の海外高度人材招致プログラム「千人計画」に参加して見返りを得ていたとして、米ハーバード大などの研究者を相次いで詐欺や虚偽申告の罪で起訴した。

8月には中国語普及を目的とした中国政府の非営利団体「孔子学院」を中国大使館などと同じ外交使節団と認定。米国での人員や保有資産、活動内容の報告を求め、資産取得にも事前の承認が必要とした。

米有力シンクタンクのブルッキングス研究所は「研究の独立性と外国からの資金提供の慎重な精査に基づき、中国やロシアの政府、あるいは国営企業や関連企業からの資金提供を受け入れていない」と明言した。米政治専門サイトのポリティコが報じた。

米国の国際政策センターが1月に発表した調査では、14~18年にかけて外国資金受け入れ額が多い米国の上位50のシンクタンクが受け取った額は合計で約1億7400万ドル(約183億円)を超えるという。ノルウェーが最大の資金提供元で、英国、アラブ首長国連邦(UAE)が続く。大半は米国の友好国からの資金だが、詳細な内訳は各シンクタンクの自主的な開示に任されている。

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