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米国で新型コロナ再感染 世界5例目、集団免疫に疑問符

【ニューヨーク=白岩ひおな】米ネバダ大の研究チームが、米西部ネバダ州の25歳男性が新型コロナウイルスに再感染したと発表した。米国での再感染の確認は初めてで、再感染が生じたとされる国・地域は世界で5例目という。人口の大部分が感染して免疫を得る「集団免疫」戦略に疑問符がついた格好だ。

新型コロナに再感染する事例が世界で複数確認されている(写真は3月の米ネバダ州)=ロイター

研究結果をまとめた論文は12日、英医学誌ランセット(電子版)に掲載された。男性は4月中旬の新型コロナの検査で陽性と判定され、その後の2度の検査では陰性だった。5月末に不調を訴え、6月上旬に再び陽性の結果が出た。研究チームが1回目と2回目の陽性時のウイルスを比較したところ、異なる系統の遺伝子を持つウイルスに感染していた。

ネバダ大のマーク・パンドリ博士は「最初の感染が必ずしもその後の再感染から身を守るわけではない可能性がある」と指摘した。

論文は2度目の感染がより重症化する傾向にも言及した。ネバダ州の事例では1回目は喉の痛み、せき、頭痛、吐き気や下痢など軽度の症状だった。一方、2度目は息切れを伴う低酸素症となり、入院と酸素吸入を必要とした。重症化の理由は明らかになっていない。

論文によれば、新型コロナから回復後、再びウイルスに感染したとみられる症例は香港、オランダ、ベルギー、エクアドルでも報告されている。エクアドルでは1回目よりも重症化が確認されたという。こうした再感染の事例は、各国が経済の正常化を進めるなか、議論が再燃していた集団免疫戦略に改めて疑問を投げかける。

医学者グループは4日、高齢者や持病を持つ人は感染から守る一方、健康な若者の感染の許容を求める「グレートバーリントン宣言」を発表した。9千人超の医学、保健分野の科学者と2万3千人超の医師らが署名済みだ。スウェーデンは春の感染拡大当初から緩やかな経済制限で集団免疫の獲得を目指してきた。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は12日の記者会見で「集団免疫の考え方はワクチン接種に依拠したものだ」と強調。感染拡大を放置して集団免疫の自然な獲得を目指すのは「科学的にも倫理的にも問題がある」と警告した。

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