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JPモルガン純利益4%増 7~9月、先行きは不透明

(更新)
JPモルガンは3四半期ぶりに増益となった(ニューヨーク)=ロイター

【ニューヨーク=大島有美子】米銀大手のJPモルガン・チェースが13日発表した2020年7~9月期の決算は、純利益が前年同期比4%増の94億ドル(約9900億円)だった。市場部門が好調だったほか、一部ローンで貸倒引当金の戻り入れがあり、全体の引当金が減った。シティグループは34%減の32億ドルだった。

JPモルガンの純利益は3四半期ぶりに増益に転じた。1株当たり利益(EPS)は2.92ドル(前年同期は2.68ドル)だった。事業会社の売上高にあたる純営業収益は微減の291億ドル。特に市場部門や資産運用事業が堅調だった。市場部門の収入は30%増の66億ドルで、債券が29%、株式が32%それぞれ伸びた。運用事業は5%増の37億ドルと過去最高になった。

引当金と貸倒損失を合計した不良債権処理費用(信用コスト)は6億1100万ドルで、前年同期より60%減った。住宅ローンや企業向け融資で戻り入れがあった。ただジェニファー・ピプスザック最高財務責任者(CFO)は「大半はローン構成の変化によるもので、全体の経済見通しを変えたためではない」と慎重な姿勢を強調した。

シティグループは制裁金の支払いが響いた(米カリフォルニア州)=ロイター

シティはリスク管理や内部統制の不備で規制当局に支払うとした制裁金4億ドルを含む費用負担が純利益を押し下げた。マイケル・コルバット最高経営責任者(CEO)は「指摘された問題には徹底的に対処する」と話した。対処にかかる費用については明言を避けた。事業全体の7~9月期の費用は5%増の110億ドルだった。

米経済は足元で改善がみられた。JPモルガンによるとクレジットカードとデビットカードの月間利用額は9月に新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミック下で初めて前年同月を上回った。シティも消費者の支出には「継続的な改善が見られる」(決算資料)とした。

JPモルガンは10~12月期の米失業率見通しを9.5%とし、6月末時点で予測していた10.9%から小幅改善に修正した。ただ先行きについては「大きな不確実性がある」(ジェイミー・ダイモンCEO)との見方を維持した。シティは21年の米経済成長率予測を6月時点の5.5%から3.3%に下方修正しており、景気の回復は緩慢になると見る。

2社とも個人、法人ともに7~9月期に預金残高が急増した。JPモルガンの7~9月期の平均預金残高は前年同期比31%増の2兆ドル、シティの9月末時点の残高は16%増の1兆2000億ドルだった。新型コロナの感染拡大が収まらず事業環境の不確実性が大きいため、現金を確保しておく需要が強まっている。

預金に占める貸出金の割合を示す預貸率はともに50%前後と、60%を超えていた前年同期と比べ大きく低下した。

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