待遇格差訴訟 非正規社員ら最高裁判断に「残念」

2020/10/13 20:32
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上告審判決を受け、記者会見する原告ら(13日、厚労省)

上告審判決を受け、記者会見する原告ら(13日、厚労省)

非正規従業員に賞与や退職金を支払わないことの是非が争われた2件の訴訟で最高裁は13日、不支給を「不合理とまで評価できない」との判断を示した。訴訟で支払いを求めてきた非正規社員らは同日、東京都内で記者会見し「時代の流れに大きく反する判決だ」と憤りの声を上げた。

賞与の支払いを求めていた大阪医科大(大阪府高槻市)の元アルバイトの50代女性は「判決を聞いて目の前が真っ暗になった。本当に悔しくて残念で言葉も見つからない」と話した。「せっかく非正規と正社員の格差を埋めようとする法律ができても、裁判所の判断が全く追いついていない」と批判した。

女性の代理人を務めた谷真介弁護士は「全く同じ職務内容などでなければ賞与の格差を是正しないという司法判断と言わざるを得ない。(不合理な格差を禁じた)労働契約法旧20条の条文を死に至らしめるものだ」と訴えた。

退職金の支給を求めていた東京メトロ子会社「メトロコマース」(東京・台東)の元契約社員、加納一美さん(71)は、同社の売店で約10年間勤務した。「こんな判決では非正規職員は希望も持てないし、働く意欲も持てない。最高裁は一体何を見てきたのか」と訴えた。

元契約社員側の弁護団の井上幸夫弁護士は「これまでの最高裁判例より大きく後退しており、最高裁がここまで時代に反する判断を示したのは驚きだ」と強調。「退職金の不支給が不合理かどうかを判断する具体的な判断理由も示されておらず、判決は全く中身がないものだ」と話した。

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