舞台「女の一生」 大竹しのぶが挑戦

文化往来
2020/10/26 2:00
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布引けい役に挑む大竹しのぶ

布引けい役に挑む大竹しのぶ

第2次大戦末期の1945年4月、日本が空襲にさらされていたころに文学座が初演し、杉村春子が生涯で900回以上も主演した舞台「女の一生」に、大竹しのぶが挑戦する。

明治、大正、昭和初期の3つの時代を背景に、ヒロイン布引けいが、清国との貿易で財を成した堤家に拾われ、家業を守って厳しい時代を生き抜くさまが描かれる。作者の森本薫は初演の翌年に他界したが、同作は日本演劇界を代表するヒット作に成長、「誰が選んでくれたのでもない。自分で選んで歩き出した道ですもの」は、名セリフとしてよく知られるようになった。1997年の杉村の没後は、文学座の平淑恵や、新派の波乃久里子らが布引けいを演じた。

大竹はこの作品について「一言一言のセリフに文学や、人間を感じる」と話す。杉村版「女の一生」は見ていないが、最晩年にテレビで共演し「私は、おまわりさんが後ろで監視する中で芝居をして、空襲警報で中断して、警報解除後にまた芝居を続けたのよ」という経験談を聞き、そんな状況下で観客を呼び寄せた、この作品の持つ力の大きさを知ったという。

共演は風間杜夫、高橋克実ら。演出は段田安則で、堤家の長男伸太郎役で出演もする。「激動する時代とともにヒロインの変遷がとてもよく描かれている。すばらしい役者がそろったので、明治も今も変わらない人間の本質を伝えられると思う」と自信をみせる。

11月2~26日、東京の新橋演舞場で上演。新型コロナウイルス対策としての劇場への規制は緩和されたが、演舞場はこの公演のチケット販売数を全席の半分以下とし、これまでと同様のハイレベルな感染症対策を維持する。

(瀬崎久見子)

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