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金融機関の在宅勤務、セキュリティーに課題 日銀分析

日銀は13日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた金融機関の在宅勤務とセキュリティー対策の状況を分析した報告書を公表した。在宅勤務制度があると答えた金融機関は全体の7割に達した。うち4割で個人が所有する私用端末の利用を認めており、会社が貸し出す端末よりセキュリティー対策が劣る環境で業務を行っている実態も浮かび上がった。

銀行や信用金庫など239の金融機関を対象にアンケート形式で実施した。政府が2月に新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を示した後に、在宅勤務の導入がどれほど進んだかを調べた。

調査結果によると、大手銀行のすべてが在宅勤務制度を設けているのに対し、地方銀行は54%にとどまった。当初は東京や大阪などの都市部に比べて地方での感染者数が限られていたため、在宅勤務が定着しなかったもようだ。

業務の内容でも差がみられた。融資の担当は78%が在宅勤務を実施したのに対し、口座開設などの業務は43%にとどまった。

感染症に対する業務継続計画を事前に作成していた金融機関は多いが、実際に計画が有効だったとの回答は32%だった。

セキュリティー上の課題も浮かび上がった。ほとんどの金融機関では業務で使う端末を行員らに貸与し、自宅での利用を認めている。一方、個人で所有する私用端末の利用を認める金融機関も42%あり、政府が基本方針を公表する前と比べて10ポイントほど上昇した。在宅で本格的に業務を行うためには、複数の端末を使う必要があったとみられる。

私用端末の利用そのものに問題はないが、日銀は「会社貸与端末と比べるとセキュリティーの統制が取りづらい」と指摘する。私用のメールを介してウイルスに感染する恐れがあるほか、一部の金融機関では私用のUSBメモリーなどの利用も認めていたという。在宅勤務の定着のためには、セキュリティー対策の強化が課題となる。

金融機関からは「押印や郵送など紙による処理を前提とした事務フローの見直しが必要」といった声も聞かれた。在宅で働く社員と紙をやり取りすることは容易ではなく、業務のデジタル化も在宅勤務の拡大に必要となる。

コロナ禍の前から在宅勤務を導入する動きが始まっていた欧米の金融機関では、ロックダウン(都市封鎖)などで店舗の閉鎖を余儀なくされ、在宅勤務の拡大に拍車がかかった。日本の金融機関もコロナの感染予防や働き方改革のため、在宅勤務の拡大に向けた工夫が求められている。

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