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JERA、50年に二酸化炭素排出ゼロに 水素など活用

火力発電の燃料を水素やアンモニアに転換する(実証実験を予定する愛知県碧南市の碧南火力発電所)

東京電力ホールディングス中部電力が折半出資するJERAは13日、2050年に事業活動における二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにする目標を発表した。火力発電所の燃料を水素などに転換するほか、非効率な石炭火力を廃止する。国内最大の発電事業者である同社が目標を打ち出したことで、他の大手電力でも脱炭素に向けた動きが広がりそうだ。

記者会見に臨む奥田久栄取締役(13日、都内)

国内の大手電力がこうした目標を掲げるのは初めて。JERAは東電と中部電の火力発電事業を統合した企業で、現在は日本の電力の約3割を供給している。ただ強みとする火力発電はCO2の排出量が多く、18年度の同社の排出量は約1億4900万トンと、日本全体の総排出量の13%を占めていた。

JERAは液化天然ガス(LNG)を燃料とする発電がメインで、石炭が燃料の発電所もある。具体的な削減に向けては、これらの火力発電の燃料をCO2を出さない水素やアンモニアなどに転換する。

まず20年代前半に碧南火力発電所(愛知県碧南市)などで、アンモニアと石炭を混ぜて燃やす実証試験を開始。40年代には燃料を全てアンモニアにできる発電設備を導入する。水素は30年代から本格的な発電所への活用を始める。ただ水素やアンモニアは安価な製造技術や運搬方法などが確立されておらず、実用化には時間がかかる。技術開発が遅れれば、燃料転換を前提としたJERAの目標達成は難しくなる。

一方、発電効率が悪い石炭火力は30年までに休廃止する。新規の電源開発では洋上風力発電など再生可能エネルギー分野に注力していく。

投資家によるESG(環境・社会・ガバナンス)重視の流れを受け、CO2の排出量が多い電力会社は脱炭素の取り組みを迫られている。世界では欧州勢が先行しており、電力大手の独RWEや伊エネルグループなどが排出量のゼロ目標を掲げてきた。

13日にオンラインで記者会見したJERAの奥田久栄取締役は「世界のエネルギー事業者として、低炭素社会の実現をリードする必要がある」と強調。環境配慮の姿勢を示すことで、国内外の投資家や金融機関から理解を得ることを目指す。政府も古い形式の石炭火力の停止を促している。JERAが削減目標を掲げたことで、日本のエネルギー企業による脱炭素化が加速する可能性がある。

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