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世界経済、6年で損失3000兆円 IMF試算

IMFは改定した世界経済見通しで2020年を4.4%のマイナス成長と予測した=ロイター

【ワシントン=河浪武史】国際通貨基金(IMF)は13日改定した世界経済見通し(WEO)で2020年を4.4%のマイナス成長と予測し、6月時点から0.8ポイント上方修正した。巨額の財政出動で悪化幅は縮小したが、金融危機時の09年(0.1%減)を大幅に上回る。成長鈍化による経済損失は今後6年間で28兆ドル(約3千兆円)と試算した。

主要国は合計で12兆ドルもの巨額の財政出動を打ち出し、世界経済は7~9月期から回復軌道に戻っている。21年は新型コロナウイルスのワクチンの普及が進むと見込み、世界経済は5.2%のプラス成長を予測した。

同年の世界の国内総生産(GDP)は19年比で0.6%上回る水準に戻るとした。最大の要因は中国の成長加速で、日米欧など先進国のGDPは21年時点でも19年比で同2%程度少ない水準にとどまるとした。

先行きは巨額の公的・民間債務が経済成長を抑えるため、回復力は鈍化するという。成長鈍化による経済損失は20~21年の合計で11兆ドルと試算、6月時点の同12.5兆ドルから引き下げた。短期のリスクは和らいだが、財政悪化や貿易の停滞の影響は長引き、25年までの6年間では同28兆ドルに達すると分析した。

日本は感染者数の拡大が比較的抑えられており、20年の成長率はマイナス5.3%と6月時点の予測から0.5ポイント上方修正した。それでも金融危機直後の09年(5.4%減)並みのマイナス成長となる。21年は2.3%のプラス成長で、緩やかな回復軌道に戻る。

米国は経済再開を急いだため感染者数は700万人超と世界最大だが、景気は想定より早く持ち直す。20年の成長率はマイナス4.3%と前回予測から3.7ポイントも上方修正した。ユーロ圏は8.3%のマイナス成長だが、6月時点の予測から1.9ポイント上向いた。21年は米国が3.7%、ユーロ圏も1.9%のプラス成長を見込む。

新興国は明暗が分かれそうだ。中国は20年のGDPが1.9%増と、主要国で唯一、プラス成長を維持できそうだ。一方で感染拡大がなお深刻なインドはマイナス10.3%と、5.8ポイントもの下方修正となった。ブラジルやメキシコもそれぞれマイナス5.8%、同9.0%と大幅な景気後退となりそうだ。21年は中国がプラス8.2%、インドも同8.8%などと回復が進むとみる。

IMFはワクチンの普及具合に応じて、下方シナリオと上方シナリオを同時に試算した。ワクチンの開発が遅れて新型コロナの封じ込めが困難になれば、21年の成長率は5%台とする基本シナリオから3ポイント下振れするとした。ワクチンが想定よりも早く普及すれば、21年の成長率は0.5ポイント上振れするという。

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