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マレーシア、コロナ再拡大でも「首相」巡り政争

(更新)

【シンガポール=中野貴司】マレーシアの野党連合を率いるアンワル元副首相は13日、首相の任命権限を持つアブドラ国王と面会し、自らが首相の有資格者だと訴えた。ただ、王室側によると、アンワル氏は支持議員のリストを提示しておらず、国王がアンワル氏の主張を受け入れる可能性は現時点では高くなさそうだ。

アンワル氏は国王との面会後の会見で「過半数の支持を得ている」と改めて主張した(13日、クアラルンプール)=ロイター

マレーシアは10月に入り、新型コロナウイルスの新規感染者が再び急増している。感染の「第2波」のまっただ中で首相の座を巡る与野党の政争が長引けば、コロナ対策の実行が遅れるリスクがある。

マレーシア憲法は「国王が下院議員の過半数(112議席)の信任を得ていると判断した議員を首相に任命する」と定めている。アンワル氏は面会後、記者会見し「過半数を大きく上回る議員の支持を確保している」と改めて主張した。

王室側も13日に声明を発表し、アンワル氏が支持議員の数を提示したと認めた。ただ、議員名を明記したリストは示さなかったため、「国王は憲法に示された法的手続きに従うようアンワル氏に忠告した」という。

過半数の支持を得たことを証明するには、議員リストの提示が必要だとの見解を示したとみられる。アンワル氏が国王の支持を得るには、支持議員リストを改めて提出するか、下院でムヒディン首相の首相不信任案を可決するなどして、過半数の支持を裏付ける必要がありそうだ。

仮に国王がアンワル氏の主張を受け入れなかったとしても、与野党の議席数が拮抗する状況は変わっておらず、ムヒディン政権は薄氷の政権運営を引き続き強いられる。ムヒディン氏は13日、「私の今の関心は新型コロナ対策と経済の運営だ」と述べ、政争と距離を置く姿勢を強調した。

マレーシアでは12日の新規感染者が563人に上るなど、新型コロナの感染が再び広がっている。政府は14日から2週間、首都クアラルンプールやスランゴール州に地域間の移動などを禁止する活動制限令を出す。3月中旬に最初の活動制限令を全土に適用した際は、経済活動が収縮し、4~6月期の経済成長率は前年同期比でマイナス17.1%まで落ち込んだ。

こうした状況下での政治の混乱は、国民の生活にも悪影響を及ぼす。マレーシア王室は13日の声明で「国王は(感染拡大の現状を)懸念し、全ての国民に落ち着くよう忠告した」と説明した。

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