中国の対米貿易黒字が最高に 7~9月、医療品など輸出増

2020/10/13 17:30
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新型コロナにより、マスクなど関連品目の輸出が大きく伸びた(上海のマスク工場)=ロイター

新型コロナにより、マスクなど関連品目の輸出が大きく伸びた(上海のマスク工場)=ロイター

【北京=川手伊織】中国税関総署が13日発表した貿易統計によると、2020年7~9月の対米貿易黒字は974億ドル(約10兆2000億円)となり、四半期ベースで過去最高となった。マスクなど新型コロナウイルス関連の輸出が増える一方、中国が2年間かけて2000億ドル拡大すると約束した輸入は伸び悩んでいるためだ。

米中貿易は18年7月に始まった関税合戦で、19年1年間の中国の対米貿易は輸出入ともに最大の減少幅を記録した。輸出から輸入を差し引いた貿易黒字も18年10~12月をピークに、縮小傾向が続いていた。

黒字額が再び拡大に転じたのは、中国からの新型コロナ関連の輸出が増えた影響が大きい。20年7~9月は前年同期を18%上回った。

対米輸出は、不織布マスクや防護服といった医療用品がけん引役だ。在宅勤務などリモート需要の拡大でノートパソコンやタブレット端末も全体を押し上げる。国・地域別ごとの品目別輸出が判明している8月分をみると、これら4品目と携帯電話で対米輸出の伸びの半分を説明できる。

ノートパソコンなどは当初、米国による追加関税の対象だったが、20年2月に発効した米中貿易「第1段階」の合意をうけ発動が見送りになったことも、輸出を下支えする一因とみられる。

対米輸入は輸出に比べて伸び悩んでいる。20年7~9月は10%増と18年7~9月以来の増加に転じた。ただ「第1段階」合意で約束した輸入拡大の規模に比べれば見劣りする。「第1段階」合意で基準年と定めた17年と比較すると、20年1~9月の輸入額は17年1~9月を2割下回る。トランプ米大統領が関心を寄せる7~8月の大豆輸入は前年の1割以下だ。

国際経済研究所の伊藤信悟主席研究員は「中国の生産が回復している割に在庫が減っていないことも米国からの輸入が相対的に伸び悩んでいる要因だ」と分析する。

米国以外も含めた中国の7~9月の輸出額は、前年同期比9%増の7126億ドルと、四半期ベースで最高となった。貿易黒字も過去最高だった15年10~12月以来の水準となった。中国のエコノミストには「海外のサプライチェーン(供給網)復旧が遅れており、中国製品で代替する需要も出ている」との分析も多い。輸出拡大に伴う貿易黒字の拡大が経済成長を押し上げる構図となっている。

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