浸水時「水に浮かぶ家」、一条工務店と防災科研が公開

住建・不動産
2020/10/13 17:28
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注文住宅の設計・施工を手掛ける一条工務店(東京・江東)と防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は13日、耐水害住宅の実験を実施した。浸水を防ぐため水密性が高いことに加え、水位があるレベルを超えると、係留されている船のように水に浮き出す。豪雨や洪水を再現できる実験施設(同市)で水位3メートルでも浸水被害はなかった。近年、台風による豪雨や河川の氾濫で住宅が浸水することが後を絶たず、高まる浸水対策の需要の取り込みを図る。

洪水時に水没や水圧から免れるよう浮力で水に浮かぶ耐水害住宅(13日、茨城県つくば市の防災科学技術研究所)

耐水害住宅は玄関ドアや窓の隙間をなくし水密性を高め、水の浸入や逆流を防ぐ特殊な弁を使うなどの対策を施した。昨年10月にも実験を実施し、水位1.3メートルで浸水被害がなかった。今回、水位が高くなった際にかかる浮力で家をあえて水に浮かせる技術を新たに追加した。

今回の実験では1階天井の高さ程度の水位3メートルでも2階建ての耐水害住宅に浸水被害がなかった。水で地面から約1.5メートル浮上。流失しないよう、船を係留するように敷地内の四隅に設置したポールとつなぎ、水が引いた後に元の位置に戻る。地面とつながっている給排水管は破損させないよう、一定の力がかかると配管の接続部が引き抜けるなどの仕組みにした。

一条工務店は浮力対策技術を開発するため、耐水害住宅の当初予定の発売を約1年延期し今年9月1日に発売した。延べ床面積が35坪(約115平方メートル)の場合、「浮く家」の建築費は従来の新築住宅に100万円程度上乗せされる。発売から1カ月で約120棟を受注した。

防災科学技術研究所の林春男理事長は「特に今新型コロナウイルスで、在宅避難は魅力的な選択肢」と説明。一条工務店の岩田直樹社長は「(気候変動の影響が)この先さらに悪くなることを見越して余裕を持った準備が大切」と強調した。

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