カケハシ、薬局のデジタル化推進へ18億円調達
調剤薬局向けシステムを手掛けるカケハシ(東京・中央)はジャパン・コインベスト3号投資事業有限責任組合などから18億円を調達した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けオンラインの服薬指導など薬局のデジタル化需要を取り込む。

三井住友トラスト・インベストメント(東京・港)が運営するジャパン・コインベスト3号投資事業有限責任組合のほか、イノベーショングロースベンチャーズ(東京・千代田)やコーラル・キャピタル(東京・千代田)が運営するファンドなどがカケハシの第三者割当増資を引き受けた。
カケハシは調剤薬局で薬剤師の業務を効率化するシステム「Musubi」を手掛ける。患者に薬を出す際にタブレット端末を使いながら飲み方などの注意点を指導し、そのままオンラインで記録もつけられることで事務作業などを効率化する。データを蓄積して薬局の経営改善に生かすこともできる。
7月には患者向けスマートフォンアプリの「Pocket Musubi」も提供を始めた。患者がアプリから服薬の記録をつけたり、薬剤師に相談したりできる。
カケハシは今回調達した資金を活用して営業担当やサービス導入を支援する担当者を拡充、Musubiなどの薬局への導入を進める。サービスの使い勝手も高め、薬局の経営課題をデータに基づいて分析できるようにする。
コロナの影響もあって病院などの医療機関だけでなく薬局でもデジタル活用への需要が高まっている。カケハシでは利用薬局に対して、Musubiのタブレット端末を使ってオンライン服薬指導を行えるよう支援する。患者向けにはスマホアプリから日々の服薬管理や薬剤師への相談をしやすくするサービスの提供を広げる。