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大阪都構想、菅政権が追い風 反対派は「追加負担」主張

11月1日に住民投票

(更新)
都構想の住民投票が告示され、賛成を訴える松井大阪市長と吉村大阪府知事ら(写真左)と反対を訴える自民党の北野妙子大阪市議団幹事長ら(12日、大阪市)

大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」の是非を問う住民投票が12日、告示された。11月1日に投開票する。構想への賛成が上回れば、大阪市は東京23区のような4つの特別区になる。住民投票の実施は僅差で構想が否決された2015年以来2度目で、可決されれば初の政令指定都市の廃止になる。

12年に成立した大都市地域特別区設置法に基づいて実施する。投票できるのは日本国籍を持つ18歳以上の大阪市民223万人。投票率に関係なく、賛成多数なら大阪市が25年1月1日に廃止される。大阪府の名称を「大阪都」に変更するか否かは問わない。変更するには別途、国会で法整備が必要になる。

都構想は大阪維新の会前代表の橋下徹氏が大阪府知事時代に打ち出した。15年の住民投票で反対70万票、賛成69万票の僅差で否決され、橋下氏は政界を引退した。その後、19年4月に維新が大阪府知事・市長のダブル選で勝ったことで2度目の住民投票が実現した。

今回の住民投票について、維新代表の松井一郎大阪市長は「負けたら政治家としては終了」と表明している。

都構想の狙いは府・市の「二重行政」の解消だ。広域行政を府に集約し、特別区は住民に身近なサービスに専念する。15年の住民投票の案に比べて特別区を5から4に減らし、区庁舎に既存施設を使うことで初期投資を6割削減した。

大阪府・市は、行政の効率化で減らした費用を投資に回すことで実質域内総生産(GDP)を5千億~1兆円程度引き上げると試算している。地盤沈下する大阪経済の浮揚策とも訴える。

反対派は再編すれば15年間で1300億円の追加負担があると主張する。新型コロナウイルスの感染拡大で税収が落ち込むなか、さらなる財政負担で住民サービスが悪化すると批判している。

日本経済新聞が6月下旬に実施した世論調査では、都構想に賛成と答えた人が49%で反対の35%を上回った。共同通信の9月の調査では賛成は49%、反対は39%だった。

ABCテレビなどの10~11日の調査では賛成45%、反対42%で差は3ポイントだった。関西学院大の善教将大准教授は「賛否は拮抗し続けた経緯がある。支持層の少しの変動で結果が変わる」と話す。

構想を進める維新にはいくつかの追い風がある。一つは吉村洋文府知事への支持だ。吉村氏は新型コロナ禍で発信を繰り返し、連日のようにメディアに登場した。5月の日経の世論調査では「取り組みを評価する知事」で52%が名前を挙げ、2位の小池百合子東京都知事の19%を引き離した。

15年の住民投票時に反対だった公明党が賛成に転じたことも大きい。維新は公明党が反対を続けるなら公明党現職のいる関西の衆院小選挙区に対立候補を立てるとの考えを示して揺さぶった。19年の府知事・市長ダブル選で維新が大勝すると、公明党は条件付きで賛成すると立場を変えた。

維新と良好な関係を築く菅義偉氏が首相になったこともプラスだ。

首相は自民党が野党時代の11年、特別区の設置を東京都以外にも認める案を党内でまとめる主導役だった。

自民党大阪府連は8日、首相に面会して都構想に反対する考えを示した。首相は「頑張ってください」と伝えたものの、賛否は言及しなかった。同府連では市議団が強硬に反対するものの、府議団の一部が賛成に回り一枚岩になっていない。

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