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中古マンションの購入 「管理の良しあし」知る術は?

20代からのマイホーム考(10)

写真はイメージ=PIXTA

マンションの管理業務は、マンションの区分所有者でつくる管理組合が、不動産会社の系列子会社などのマンション管理会社に業務を委託しているケースがほとんどです。しかしマンション管理の良しあしは、区分所有者がどれだけ自身のマンションの価値を維持向上させようと努力しているかが決め手になります。新築マンションの場合、管理の質を知る術はありませんが、中古マンションはすでにマンション管理を継続して行っていますので、管理の状態をある程度知ることができます。今回はマンション管理の状態を簡単に確認する方法についてご紹介しましょう。

部屋だけでなく掲示板や駐輪場もチェック

マンション管理の良しあしを簡単にチェックするためには、マンション見学の際、目的の部屋のほかに、外からの見た目、すなわち、エントランス、自転車置き場、ゴミ置き場をチェックするとよいのです。

エントランスはそのマンションの顔ともいえる場所です。きれいに清掃されていない、掲示板に古いお知らせ(半年以上も前のものなど)が掲示されたままになっているなどの場合、管理に対する意識が高いとはいえない可能性があります。また、掲示内容もよく見てみましょう。「ゴミ出しのルールを守りましょう」といった掲示がなされている場合は、ルールを守らない住民がいることの証しになります。

駐輪場は住民のマナーが表に現れる場所の一つです。自転車が散乱している、整然と収納されていないといった場合、マンション管理に対する意識が低い可能性があります。

ゴミ置き場もチェックしておきたい場所です。ゴミ収集日を守らない人がいたり、ゴミの出し方が乱雑だったり、清掃が行き届いていなかったりする場合は、管理レベルが高いとはいえないでしょう。

管理組合の議案書と議事録からわかること

マンションでは年に1回以上、管理組合の総会を開催しなければなりません。招集する際には議案書を作成し、総会を終えたら議事録を残すことになっています。

議案書とは、管理組合が総会で決議を予定している内容が記載されたものです。その年度の管理組合の決算や次年度の予算、そのほか、マンション管理上の課題への対応策など、決議事項が記載されています。議事録には、決議の結果や総会参加者から出された意見などが記録されています。過去3期分程度を読めば、そのマンションが抱える課題と取り組み姿勢がよくわかります。

「建物の劣化状況を調査すべきではないか」「大規模修繕はいつごろ実施すべきか」「修繕積立金をどの程度アップさせるべきか」といった議論が繰り広げられていることもありますし、管理費などの滞納者への対応など、様々な課題や意見が組合員から出されていることもあります。

一方、議事録の内容が極めて薄く、単に決議結果だけが記載されているような場合は、管理を管理会社に任せきりにしている可能性があります。管理会社は管理組合の「お財布事情」を知り尽くしている立場でもありますので、大規模修繕時などで必要以上の費用を見積もってくることもあるかもしれません。

購入申込時に閲覧希望を

議事録は利害関係人(所有者や賃借人、管理組合の債権者、購入予定者など直接的に利害関係を持つ人)には、正当な理由がある場合を除いて閲覧させなければならないことになっています(区分所有法第42条第5項の規定)。ですから、購入申し込みを出すタイミングで、3期分程度の議事録を不動産業者にお願いして見せてもらうとよいでしょう。

ただし、議事録だけしか見せてもらえない場合もあります。議事録は議案の中身がほとんど記載されていないため、議事録だけ読んでも何について決議されたのかがわからない場合が多々あります。ですから、議案書とセットで見せてもらうようにお願いしましょう。

管理活動には主体的に参加しよう

マンションを購入したら、自身の暮らしが始まるとともに、管理活動も始まります。誰かがやってくれるから自分は関知しないという組合員が増えれば増えるほど、管理の質は落ちていくことになります。マンションを購入するのであれば、その資産価値を維持するために、他の組合員と協力し合いながら管理活動を行っていくのだという意識が必要だと思います。

どんなマンションでも中長期的には「マンションの老朽化」という問題を抱えています。これを解決できる方法は、組合員それぞれがマンションの価値を維持向上させようという共通のゴールを持ち、それに向かって活動し続けることしかないと私は思います。

田中歩(たなか・あゆみ)
 1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、「あゆみリアルティーサービス」を設立。不動産・相続コンサルティングを軸にした仲介サービスを提供。2014年11月から個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクションなどのサービスを提供する「さくら事務所」にも参画

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住宅資金は老後資金、教育資金と並ぶ人生三大資金です。20代、30代から考えたい「失敗しないマイホーム選び」について不動産コンサルタントの田中歩氏が解説します。隔週月曜日に掲載します。

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