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河瀬直美監督「朝が来る」、エンタメ性高い新境地

「私らしいドキュメンタリー的な要素とエンターテインメント性が備わった作品になった。最後まで飽きることなく見てもらえると思う」。カンヌ国際映画祭の2020年オフィシャルセレクションにも選ばれた10月23日公開の「朝が来る」について、河瀬直美監督は手応えを語る。

原作は直木賞作家、辻村深月の同名のベストセラー小説で、河瀬が原作を映画化するのはドリアン助川の「あん」以来2度目。養子縁組で息子を迎えた夫婦と、実子を育てられなかった実母の葛藤を描く。「私も養子縁組によって養父母に育てられた。今は息子を育てる母親であもる。その視点で小説を読んだとき、(養子である)朝斗のまなざしがこの映画には不可欠だと思った」と語る通り、朝斗を巡り交錯する大人たちの視線を捉えた映像が胸を打つ。

河瀬の演出には2つの特徴がある。脚本に書かれたシーンの順番通りに撮影する「順撮り」であること。そして俳優同士に役名で呼び合ってもらい、ロケ場所となる家で共同生活を送るなどカメラの回っていないところでも役のまま過ごす「役積み」をしてもらうことだ。「順撮りでないと絶対に出ない感情があり、これまでも作品ごとに奇跡的なシーンを撮ることができた。今回は夫婦と実母が対面するシーンで奇跡が降りてきた。私もここが勝負どころだと思い、脚本にないセリフを現場で加えた。演技ではなく役を積んだからこそ動く心の変化に、見る人も心を揺さぶられると思う」

夫婦を演じる永作博美、井浦新ら以上に鮮烈な印象を残すのは実母を演じた蒔田彩珠だ。「エンドクレジットの最初に名前があがってもいいくらい。10代後半の世代の中では飛び抜けた才能で、動物的な感性で表現できる特殊な魅力がある」と絶賛した。

(近藤佳宜)

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