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沖縄振興、辺野古移設が前提 官房長官が沖縄視察

市役所屋上から米軍普天間基地を視察する加藤官房長官(10日、沖縄県宜野湾市)

加藤勝信官房長官は10日、就任後初めて沖縄県を訪問した。米軍普天間基地(同県宜野湾市)や名護市辺野古を視察し、基地負担の軽減に取り組む姿勢を強調した。辺野古移設を巡り国と県との対立は続く。菅政権は基地問題の進展を前提に沖縄振興を進める安倍政権の姿勢を踏襲する。

沖縄基地負担軽減担当を兼務する加藤氏は沖縄県庁で、玉城デニー知事と会談した。加藤氏は「普天間の危険除去の唯一の解決策は辺野古移設だ。全力で取り組みたい」と強調した。

政府は辺野古の埋め立て予定地でみつかった軟弱地盤の改良工事に関し、設計変更を承認するよう県に求めている。県は認めない立場で、玉城氏は「県民の理解が得られない移設計画は断念してほしい」と述べた。

米軍普天間基地の移設は当初、2022年度以降に完了する予定だった。県の反対で移転先の辺野古での埋め立てが進まず、工事は大幅に遅れている。政府は昨年末、普天間基地の返還が30年代より後になるとの見通しを示した。

辺野古移設の進捗と沖縄振興は密接な関係がある。

政府は埋め立て工事を承認した仲井真弘多知事時代に、12~21年度の沖縄振興計画をまとめた。毎年の振興費を3000億円台にすると決め、14年度は3501億円まで膨らんだ。移設反対の翁長雄志前知事の就任後は縮小し、18年度に3010億円にまでなった。

国と県の対立を背景に、安倍政権下で振興費を減らす「アメとムチ」の使い分けを主導したのが、当時官房長官だった菅義偉首相だった。

16年の記者会見で基地問題と沖縄振興との関連を認める「リンク論」に初めて触れた。今年9月の自民党総裁選でも「結果的にリンクしているのではないか」と発言した。

21年度に次期計画の策定作業を控える。産業育成やインフラ開発の方向性などを明記し、その後10年の振興策の基礎となる。玉城氏は「リンク論があってはならない」と反発し、予算減額への警戒感を強めている。

沖縄経済は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、主力産業の観光業が打撃を受けた。経済の立て直しに政府の後押しが不可欠で、県は医療体制の拡充や観光業への支援策を要望している。

加藤氏は米軍基地視察後、那覇市内で記者団に「基地問題と振興策の額そのものを直接関連させる考え方は取っていない」と語った。

同時に「基地負担の軽減、返還された基地を使った沖縄の振興に総合的に取り組むのは当然ではないか」とも指摘した。

首相は7日、首相官邸で玉城氏と会談し、振興策への協力を要請された。首相は「引き続き連携しよう」と答え、具体的な言及は避けた。

県は辺野古移設に関する国との協議の場を新たに設けるよう求めている。政府は対応しない方針で、対立が収束するメドはまだ立っていない。

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