ウィズコロナ時代の予想外な住宅事情(佐々木明子)
テレビ東京アナウンサー・佐々木明子のモーサテ日記

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2020/10/18 2:00
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国内外の経済の動きを毎朝いち早く伝えるテレビ東京「Newsモーニングサテライト」。そのメインキャスターを務める佐々木明子さんが、金融・経済の最前線の動きや番組制作の裏話などをつづる。

「Newsモーニングサテライト」のキャスター、佐々木明子さん

「Newsモーニングサテライト」のキャスター、佐々木明子さん

■在宅勤務を機に高まった「一軒家願望」

賃貸マンション暮らしの我が家では、夫の一軒家購入意欲がにわかに高まっている。「リモートワーク用の部屋が欲しいな」「庭があって犬が飼えて」。駅近であるが狭い我が家はモノがあふれ、夫のリモート会議時は別の部屋に追い出されてしまう。24時間一緒だと、仲の良い夫婦でも息が詰まる。

足元の景気悪化で地価が下がっているかもしれないし、向こう2~3年は世界の中央銀行の無尽蔵な金融緩和が続くだろう。教科書的に考えれば資産バブルになってもおかしくはない。「今が買い時かも!」と週末の家探しが始まった。

■米国生活で経験した夏も冬も快適な空間

建売住宅を見ていた夫は、ある時から急に「土地を買って自由設計で家を造りたい」と言い出した。どうやら耳打ちした人がいるようだ。「日本の一軒家は夏は暑くて冬は寒い。米国みたいに空調を一括管理する"全館空調"にしたいよね」と彼は言う。確かに米ニューヨーク(NY)にいた時、どのマンションも全館空調で、室温があらゆる場所で一定に保たれていることに驚いた。だがそれは米国だからこそなせる業だ。

米国は既に、ロシアやサウジアラビアなどを上回る世界最大の原油生産国となっている。現地のショッピングモールでは、夏場は冷房を最強にしながら扉を開けっ放しにするため外気までひんやり。貧乏性の私としては「もったいない」と、扉を閉めたくなる。

結局「日本ではぜいたくな話だ」と夫の案を一蹴した。しかしハウスメーカーに話を聞くと、最近は省エネの全館空調を売り出すメーカーが増えているそうだ。

背景には、高齢化がある。夏の暑さは年々過酷になるし、冬の一軒家の寒さは体にこたえる。「冬場の浴室は注意」と言われるが、家の中の急激な温度差は高齢者の心筋梗塞などを引き起こしやすい。温度差の問題を取り除く、いわば室温のバリアフリーが可能な時代のようだ。

■進化する住まいと旺盛な需要

最新の住宅事情は興味深い。メーカーにより得意とする技術も異なる。あるところは高性能の断熱材を売りにし、あるところは木材が持つ断熱・保温効果や、強度、耐震性を推してくる。家探しをしていると「こんなにもメーカーの違いや技術の進歩があるのか」と新しい発見が多かった。

結局、新居はどうなったのかというと、土地も建売住宅も都内は需要旺盛。価格は下がるどころか強気に転じていて、私たちの予算をオーバーすることが分かった。不動産業者も、「今年の3月は本当に駄目でしたが、最近はあっという間に売れてしまいます」とにやり。タイミングが遅かったようだ。マーケット番組を担当していても、こんなものである。

佐々木明子(ささき・あきこ)
1992年、テレビ東京入社。アナウンス部に配属されスポーツ担当に。2006年にニューヨーク支局勤務となり「Newsモーニングサテライト」(月~金、5時45分~7時5分)を担当。帰国後、2014年から同番組のメインキャスターを務める。
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