神恵内村が「核のごみ」調査受け入れ表明、寿都町は応募
北海道神恵内(かもえない)村の高橋昌幸村長は9日記者会見し、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場誘致につながる「文献調査」の受け入れを表明した。寿都(すっつ)町の片岡春雄町長も同日、東京都内の原子力発電環境整備機構(NUMO)を訪れて応募書類を提出した。

神恵内村では9月8日に村商工会が文献調査への応募検討を求める請願を村議会に提出。住民説明会などを経て村議会が10月8日に応募検討を採択。これを受け9日午後に経済産業省が村を訪問し、応募を申し入れた。記者会見で高橋村長は「これまでも原発と長い間、一緒に歩んできた。交付金目当てということはない」などと話した。
経産省の小沢典明・地域政策統括調整官は「8日の議会の採択やそれまでの状況をみて、申し入れを判断した」と説明した。自主的に応募した寿都町については「自ら手を挙げたい意向が強かった。ただ地元の負担が大きいことなので、国から申し入れるのが基本だ」と原則論も強調した。
文献調査は予備調査のような位置づけで、2年で最大20億円の交付金が出る。ボーリング調査を含む次の「概要調査」に進むには地元首長のほか北海道知事の同意が必要となり、鈴木直道知事は独自の「核抜き条例」を根拠に反対する意向を明確にしている。
NUMOが文献調査の実施計画を年内にもまとめ、経産相が承認すれば調査が始まる。9日、都内で梶山弘志経産相と会談した寿都町の片岡町長は「今日は入学式に来た。正しい勉強ができるように進めたい」と意欲を見せた。梶山経産相は「将来の世代につけを回すことなく、最終処分を決めていくことが我々の世代の大きな課題」と決断に謝意を示していた。