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コロナで広がる在宅ボランティア、専門スキルで貢献

NPO法人「サービスグラント」が7月に開いたウェブイベントには過去最多の230人が参加した=同法人提供

新型コロナウイルスをきっかけに、自宅でできるボランティア活動が広がっている。オンラインで支援を求める団体が増え、活動形態が多様化した。コロナ禍で専門スキルで社会貢献する「プロボノ」に関心を持つ人も増えたといい、今年を「在宅ボランティア元年に」と期待する声もある。

「この部分は動画に撮りましょうか」。神奈川県藤沢市の会社員、福島真さん(31)は今夏、仕事で培った知識や技術を無償で提供するプロボノ活動に初めて携わった。公益財団法人「東京YWCA」(東京)が行うドメスティックバイオレンス(DV)被害の支援者向けオンライン研修の教材作りに助言する。

IT(情報技術)コンサルタントとして働く福島さんにとって、対面研修のオンライン化は日常業務のスキルを生かせる。感染拡大に伴う在宅勤務で通勤が不要になり、自由な時間が増えたこともあり志願した。

東京YWCAの米山麻以子主任は「オンライン化のノウハウがなく戸惑っていたが、的確なアドバイスをもらえて助かる」と喜ぶ。福島さんも「自宅で社会問題に貢献できるとは思わなかった」と満足する。

両者を仲介したプロボノ紹介のNPO法人「サービスグラント」(東京)が7月に行った調査では、プロボノに参加を希望していた47人のうち、約半数が新型コロナの影響を動機に挙げた。理由は「社会課題に関わりたい」「スキルやキャリアを見直したい」がそれぞれ6割を占め、「時間にゆとりができた」も2割いた。

食品会社に勤める都内の女性(41)は8月、困窮家庭の子どもに無料で学習塾を運営する団体で、活動の紹介映像を作るボランティアを始めた。子どもの状況や団体の取り組みを発信し、寄付者を増やす狙いだ。

女性は週末に自宅周辺で外国人の子どもに日本語を教える活動をしていたが、新型コロナで休止になった。本業のマーケティングのスキルを生かして映像を作る現在の活動について「在宅ボランティアなら場所や時間を問わず気軽に続けられる」と話す。

コロナ禍で、オンライン上の寄付にも追い風が吹いている。クラウドファンディング(CF)大手「CAMPFIRE」(東京)によると、支援総額は2月から増え始め、4月は前月比で倍増した。1~8月の累計は前年同期比3倍の149億円に達する。担当者は「地元の活動を応援するなど新しい個人の参加がある」という。一方で新型コロナの影響で資金不足や人材難など苦境に立つ市民団体、NPOなども少なくない。

市民活動に携わる京都産業大の滋野浩毅教授(地域政策)によると、阪神大震災やリーマン・ショック、東日本大震災など大きな社会不安が生じると、社会貢献の意識が高まる傾向がある。

コロナ禍で様々な市民活動が中止・延期を強いられた半面、オンラインでの活動が広がった。滋野教授は「学生やシニアなど従来の担い手だけでなく、働き盛りの世代も関わりやすくなる。市民活動に多様な選択肢が加わった」と話している。阪神大震災が起きた1995年が「ボランティア元年」と呼ばれるように、「今年が『在宅ボランティア元年』になれば」と期待している。

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