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PS5分解 巨大ファン健在、液体金属の熱伝導材も

日経クロステック

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は11月に発売予定の据え置き型ゲーム機の次世代機「プレイステーション(PS)5」の分解動画を公開した。これまで同社は、新型機が登場するごとに分解動画を公開してきたが、発売1カ月以上前に公開するのは異例である。

動画では、PSシリーズの熱設計や機構設計などを手掛けてきた鳳康宏氏が出演し、PS5を分解しつつ、内部構造の見どころを解説。動画公開に合わせて、公式ブログ内で、SIEでEVP(ハードウエアエンジニアリング&オペレーション統括責任者)を務める伊藤雅康氏が、PSのハードウエアを開発する上で、考え抜いた「美しい設計」に重きを置いているとコメントした。

美しいとはすなわち、筐体(きょうたい)を分解した際にその内部が整って見えることを指す。それは、「部品点数も含めて設計に無駄がなく、結果として不良が少なく、高品質で完成度の高い製品であるということを意味する」(伊藤氏)。加えて、PS5では、静音性や冷却性といったさまざまな面で、「これまで以上にバランスに気を配る必要があった」(伊藤氏)という。

SIEは2015年に構想に着手してから約5年かけて、PS5の設計・開発に取り組んできた。今回公開した約7分の分解動画を通じて、その成果が垣間見えた。

PS4より一回り大きい本体

動画内では冒頭、PS5をPS4より一回り大きくしたことで、演算処理性能や静音性などで大幅な向上を果たしたと説明。PS5の外形寸法は約390×260×104ミリだという。PS4シリーズで大型な「PS4 Pro」の外形寸法は約295×327×55ミリである。

次に、搭載したUSBやHDMIといった端子類、縦置き用ベースを外して横置き用に再び取り付けられること、「ダストキャッチャー」を備えたことを紹介した。PS5本体の両側にある白色の外装パネルは、ユーザーが外すことができるものである。

同パネルを外すと、2カ所にダストキャッチャーがある。そこに集まったホコリなどを掃除機で吸い出せるという。さらに、外装パネルの下に、ストレージ増設用の「PCI Express 4.0」対応の「M.2」インターフェースを用意している。

両面吸気の大型ファンを搭載

ここから、分解が本格的に始まる。まず、取り出したのは、大型の冷却ファンである。これまでPS3やPS4は大きな冷却ファンを搭載してきた。この「名物」をPS5でも継承している。直径120ミリで、厚さは45ミリ。両面から吸気する。なお、本体の吸気口は前面側に2カ所あり、排気口は背面側にある。

次に、光ディスクドライブのユニットを外した。ドライブユニットは板金ケースで完全に覆い、さらに2重のインシュレーター(防振用部品)をマウントした。これにより、光ディスク回転時の駆動音と振動を低減した。

熱伝導材料に液体金属

続いて、無線のアンテナとつながる端子やメイン基板のシールドを外したのち、同基板を取り出した。同基板にはメインプロセッサーやメモリー、SSDが実装されている。

既にそれぞれの仕様を公開しているものの、実際の半導体部品を見せるのは今回が初めて。GDDR6対応のメモリーは8チップある。SSDは基板に直接(オンボードで)実装されていた。SSDのコントローラーICはカスタム品だという。

メインプロセッサーの動作周波数が高いもののダイ(半導体本体)が小さく、熱密度が高いことから、ヒートシンク(放熱器)に熱を伝える熱伝導材料(TIM)に液体金属を利用した。この液体金属のTIMは、2年以上前から採用に向けて準備を進めてきたものだという。「考え得る、ありとあらゆる試験を実施し、採用を決めた」(鳳氏)とする。

ヒートシンクも大きい

そして、大型のヒートシンクを取り出した。PS3やPS4と同様にヒートパイプを利用しているものの、形状やエアフローの工夫によって、放熱効果が高いベイパーチャンバーと同等の冷却性能を達成したという。

最後に、電源ユニットなどを取り外して、一通りの分解を終えた。電源ユニットの定格電力は350ワットだという。なお、現行のPS4の消費電力は最大165ワット、PS4 Proは同300ワットである。

(日経BPシリコンバレー支局 根津禎)

[日経クロステック 2020年10月8日掲載]

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