Microsoft、「反Apple連合」を支持 アプリ配布巡り

2020/10/9 7:10
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マイクロソフトは8日、エピックゲームズやスポティファイなど「反アップル」の企業が設立したNPOの主張を支持した

マイクロソフトは8日、エピックゲームズやスポティファイなど「反アップル」の企業が設立したNPOの主張を支持した

【シリコンバレー=佐藤浩実】米アップルのアプリストア運営をめぐり、同社の商慣行を「不公正だ」と主張する企業らの団体に援軍が現れた。米マイクロソフトが8日に団体に賛同し、パソコンではアプリ配布の自由を保つと明言した。IT(情報技術)大手が支持を表明したことで、アップルや規制当局の姿勢に影響を与える可能性がある。

マイクロソフトは同日公開したアプリストアに関するブログで、NPO「アプリの公平性のための連合(CAF)」の主張を参考に10の方針を定めたと説明した。CAFは「フォートナイト」を開発した米エピックゲームズや音楽配信のスポティファイ・テクノロジー(スウェーデン)など13社・団体が9月に設立したNPOだ。

具体的には基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」を搭載しているパソコンで「マイクロソフト以外のアプリストアを排除しない」「どんな決済システムを選んでもアプリを排除しない」といった方針を示した。「選択を促し、公平性を確保し、革新が起こりやすくする」(リマ・アライリー副社長)と言う。

内容自体は従来の運用とほとんど変わらず、マイクロソフトとパソコン向けアプリの開発者の関係が変化するわけではない。ただ同社が考えを明文化したことで、スマートフォン「iPhone」などでアプリストアを運営するアップルと比較しやすくなる。

例えば現状では、iPhoneでアップル以外のアプリストアや決済システムを利用するのは「規約違反」となる。実際に独自の決済システムを導入したエピックゲームズはアプリの配信停止に追い込まれ、法廷係争に発展している。CAFの広報担当サラ・マックスウェル氏は「(マイクロソフトの方針表明は)すべての開発者にとって重要な瞬間となった」と話した。

マイクロソフトはあえて支持を打ち出す理由を明かしていない。ただCAFに参画するスポティファイやデートアプリ「ティンダー」の運営企業などと同様に、マイクロソフトもアプリ配信をめぐってアップルとあつれきがある。例えば米国などで9月に始めたクラウドゲームのサービスは、いまなおiPhoneでは配信できていない。マイクロソフトの幹部は「アップルに働きかけている」と言うものの、事業展開が遅れる一因になっている。

一方で、アプリストア運営に対する批判がゲーム専用機に及ぶのを避ける狙いもありそうだ。同社はゲーム機は「(ゲームを遊ぶという)特定の用途に最適化した特殊な機器」として、パソコン向けに定めた10の方針を適用しないという。

米IT大手に対する監視の目は強まっており、6日には米議会下院がフェイスブックなど大手4社の独占行為に関する調査報告書をまとめた。アップルについてはiPhoneやiPadなどのアプリ販売を独占し、開発者の売り上げを過度に徴収していると指摘した。アップルは「報告書の結論に強く反対する」との声明を出している。

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