トルコとギリシャ、東地中海の緊張緩和へ対話 外相が会談
【イスタンブール=木寺もも子】東地中海のガス田権益を巡って対立するトルコとギリシャの両外相は8日、緊張緩和に向けた対話を始めることで一致した。訪問先のスロバキアで会談した。外相会談は今夏に両国間の軍事的緊張が高まって以来初めて。

トルコのチャブシオール外相は「近く予備的協議や信頼関係を築くための措置を開始する必要があるということで合意した」と述べた。トルコで行う初回協議に向け、複数の日程案を提示したという。両国は9月下旬、ドイツなどの仲介を受けてそれぞれ予備的協議を受け入れる意向を明らかにしていた。
トルコとギリシャは海上の境界を画定していない。トルコが自国沿岸にあるギリシャ領の島沖などでガス田探査を始めたことにギリシャは激しく反発した。8月には競い合ってそれぞれが海上の軍事演習を行ったほか、両国海軍の艦船が軽く接触するなど北大西洋条約機構(NATO)加盟国同士ながら軍事的な緊張が高まっていた。
10月1~2日に開かれた欧州連合(EU)首脳会議では当初ギリシャなどが主張した対トルコ制裁が見送られるなど、東地中海問題は緊張緩和の兆しがみられる。ただ、両国間の主張の隔たりは大きく、ギリシャ系住民とトルコ系住民に事実上分断されるキプロスを巡っても火種がある。本格的な融和につながるかは不透明だ。
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