/

JPモルガン、格差是正へ5年で3兆円 黒人向け融資など

(更新)
JPモルガンなど金融大手は格差是正に向けた取り組みを相次ぎ発表(ニューヨーク)=ロイター

【ニューヨーク=大島有美子】米銀大手のJPモルガン・チェースは8日、人種格差の是正を目的に5年間で300億ドル(約3兆2000億円)の資金を振り向けると発表した。黒人やヒスパニック系向けに住宅ローンや中小企業融資を提供する。

新型コロナウイルスによる失業では、特にサービス業などに就く有色人種の低所得層が大きな打撃を受けた。格差拡大に対する世論の反発も予想される。JPモルガンは数値目標を掲げることで、格差是正へ取り組む姿勢を明確に示す。

ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は「構造的にはびこる人種差別や経済格差を打ち破るため、具体的に行動する」と述べた。

融資では黒人とヒスパニック系に4万件、80億ドル分の住宅ローンを提供する。ローン金利が過去最低水準となっていることを受け、借り換え向けに40億ドルを確保する。10万軒の賃貸住宅を提供するための不動産ローンを140億ドル用意する。黒人などが経営する中小企業向けには1万5000件、合計で20億ドル融資するとした。

米連邦預金保険公社(FDIC)によると、2017年に銀行口座を持っていない人の割合は黒人で17%、ヒスパニック系で14%だった。白人(3%)やアジア系(3%)と比べ保有率の低さが目立つ。一定額の預金を預け入れたり、手数料を払ったりするのが重荷となっているためだ。

JPモルガンは100万人が新たに「低コストで口座を開けるよう支援する」とした。中低所得層の多い地域に100店舗を開き、月々4.95ドルの利用料で無料のネット送金などができる口座を案内する。

コロナ禍の5月に米中西部ミネソタ州で起きた白人警官による黒人暴行死事件を機に、人種差別に対する米国民の問題意識が強まった。雇用で大きな打撃を受けておらず、白人中心のウォール街に対する反発も予想され、米金融大手は一斉に人種格差の是正に向けた指針を打ち出している。

バンク・オブ・アメリカは6月に10億ドルの支援枠を設けた。ゴールドマン・サックスは25年までに主要拠点の管理職で黒人比率を7%、ヒスパニックを9%とする目標を設定。ブラックロックも24年までに黒人管理職を倍増させる。

野党民主党の大統領候補、バイデン前副大統領は政策集で、米連邦準備理事会(FRB)に格差の状況に関する定期的な報告を義務付けるとしている。金融政策や規制を通じて是正に取り組むよう促す。JPモルガンをはじめウォール街の取り組みは、11月の大統領選後を見据えた政治的な動きともいえる。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン