/

景気「持ち直し」、日銀判断8地域上げ 水準なお低く

 テレビ会議方式で開かれた支店長会議に臨む日銀の黒田総裁(手前)ら=8日午前、日銀本店(代表撮影)

日銀は8日発表した10月の地域経済報告(さくらリポート)で、8地域の景気の総括判断を引き上げた。新型コロナウイルスの影響が一服し、生産や消費に持ち直しの動きが出た。足元の統計では上向きの傾向がみられて「最悪期」は脱した形だが、水準はなお低く、設備投資の手控えや雇用調整の動きも広がりつつある。景気の本格回復への足取りは重い。

日銀は同日、テレビ会議方式で四半期に1度の支店長会議を開きリポートをまとめた。

今回は、コロナ禍からの経済活動再開の動きを受け、四国を除く8地域で「厳しい状態にあるが持ち直しつつある」といった表現に小幅に上方修正した。8地域での引き上げは2013年10月(9地域)に次ぐ多さ。前回7月には「大幅に悪化」「きわめて厳しい」などの文言を並べ、2四半期連続で全9地域の判断を引き下げていた。

生産は四国を除く8地域で引き上げた。原動力は自動車市場の回復で、東海では前回の「弱い動きが続く中、持ち直しに向けた動きもみられている」から「持ち直している」へと明確に上方修正した。日銀の聞き取りでは「内外の自動車販売が回復し生産水準を引き上げている。先行きも増産を継続する」(名古屋の輸送用機械)などの前向きな見方が出た。

四国では「弱い動きが続いている」と判断を据え置いた。自動車関連産業が多くないほか、地域の基幹産業の造船が「海運市況の低迷で受注獲得に苦戦している」(松山の輸送用機械)ためだ。

個人消費の判断は北陸と東海を除く7地域で引き上げた。モノの消費が特に回復。「給付金効果もあり大型テレビや調理家電の販売が好調」(鹿児島の家電販売)などの声が出た。「在宅時間の増加でパソコンの販売が増えている」(神戸の家電販売)など、「新常態」に対応した消費が好調だった。

一方、サービス消費は外食や宿泊を中心に厳しさが続く。「インバウンド(訪日客)は当面期待できず先行きは楽観できない」(京都の宿泊)、「感染者数の増減で客足が大きく変動し不安定」(横浜の飲食)といった懸念が相次いだ。

景気に底打ち感が出てきたとはいえ、水準はなお「厳しい状態」が続く中、企業は「守り」の姿勢を強めている。設備投資の判断は北海道や中国など5地域で引き下げた。「新型車対応以外の設備投資は抑制する」(広島の自動車関連)といった声が上がった。

雇用・所得の判断も関東甲信越や四国など4地域で下方修正。「当面は採用を最小限にとどめる」(名古屋の輸送用機械)、「従業員の定例給与を引き下げた」(高知の宿泊)など慎重姿勢が目立つ。設備投資や雇用情勢が今後も悪化すれば、経済回復の足取りが一段と重くなり、中長期の成長力の鈍化にもつながりかねない。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連企業・業界

企業:

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン