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コンビニ3社、25%減益 20年3~8月FC支援も重荷

コロナ下で苦戦が続く(セブン―イレブン・ジャパンの店舗)

コンビニエンスストアの経営が転機を迎えている。8日出そろった2020年3~8月期の大手3社の国内コンビニ事業の利益は合計約1540億円と前年同期比25%減った。新型コロナウイルスで売り上げが落ち、フランチャイズチェーン(FC)加盟店の支援費用も重荷となった。24時間営業問題もくすぶり、従来の成長モデルは通用しなくなりつつある。

セブン&アイ・ホールディングスローソンファミリーマートの国内コンビニ事業を集計した。セブン&アイの井阪隆一社長は

「消費行動が変わり、コンビニでもスーパーのように計画的な買い物をする客が増えている」と話す。3社の国内コンビニ事業の売上高(合計)は9%減った。小売りの勝ち組といわれてきたコンビニも採算悪化を余儀なくされた。

コンビニの既存店売上高をみると、セブンは「巣ごもり需要」に対応した冷凍食品やリキュール類などを戦略的に店頭に並べ、前年と同水準に戻しつつある。一方、ローソン、ファミマは1割弱の減収が続く。在宅勤務で会社での朝食や昼食の需要が落ち込んだ。

加盟店支援も重荷となった。コロナで厳しさを増すFC店などを対象に、3~8月期(連結ベース)でファミマが30億円、ローソンは25億円、セブン&アイも数十億円の費用を投じたようだ。

FC店への店舗支援費用はコンビニ各社にとって構造的な課題だ。店舗数が飽和状態となり、日販の伸びも頭打ちで店舗の経営は厳しさを増している。東京商工リサーチによると、19年のコンビニの倒産・休廃業などは316件と5年前の2倍近くに増えた。加盟店支援のコストは今後も増えるとみられる。

株式市場でセブン&アイなど3社の評価は厳しい。19年末比の株価騰落率をみるとそろって1~2割安い。横ばい圏の日経平均株価を下回っている。特に緊急事態宣言の解除後、市場全体と回復度合いに差が出ている。

もう一つの課題が24時間営業の見直しだ。公正取引委員会は9月、24時間営業などを本部が強制すれば独占禁止法違反にあたるとの見解を示し、主要8社に加盟店との関係改善を要請した。

公取委の調査では、約67%の加盟店が「時短営業に切り替えたい」「一度実験してみたい」と回答した。足元では24時間営業をやめた店舗が大手3社で1500店を超えている。新型コロナがきっかけで夜間の外出が減ったことなどもあり、24時間営業見直しの動きはさらに広がる可能性が高い。

24時間営業からの離脱はコンビニのビジネスモデルを大きく揺るがす。深夜0時から午前5時までの売り上げは1日の売上高の1割程度とされる。営業時間を短縮すれば、その分減収になり、本部が加盟店から受け取る経営指導料も減る。国内のコンビニ全店が深夜営業をやめたと仮定すれば、単純計算で指導料収入は1千億円程度減る計算になる。

公取委の要請公表後、業界4位のミニストップはFC制度の大幅な見直しを決めた。21年9月から本部と加盟店の利益の分配方法を抜本的に変更する。本部が加盟店から受け取っている経営指導料を廃止。人件費など店舗運営に関わる一連のコストを本部と加盟店が共同で負担したうえで、残った利益を原則折半する仕組みに改める。店舗の営業時間も店側が自由に選べるようにした。

市場シェアの9割を握る大手3社は、ミニストップのような抜本的な見直しにはそろって否定的な考えを示す。ローソンの竹増貞信社長はFC契約の見直しは検討していないとしたうえで「加盟店と一緒にFCビジネスを継続できる解決策を見つけたい」と話した。

しかし、コンビニの成長を支えてきた本部と加盟店の「共存共栄」に綻びが生じているのは明らかだ。店舗運営にかかるコスト負担を本部が加盟店任せにする従来のFC制度は限界を迎えたとの指摘は多い。新たなFC経営モデルを提示できるかに注目が集まる。

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