川崎汽船、一時6%高 荷動き活発化に期待
銘柄診断
8日の東京株式市場で川崎汽船株が5日続伸し、一時、前日比78円(6%)高の1343円と約1カ月ぶりの高値をつけた。米国の追加経済対策などによる世界経済の回復で荷動きが活発化するとの期待が強まっている。主力のコンテナ船の運賃が堅調に推移するとの見方もあり、幅広い投資家に買われた。

終値は5%高の1329円だった。日本郵船と商船三井もそれぞれ2%上昇し、業種別日経平均で海運は値上がり率がトップだった。ばら積み船市況を総合的に表すバルチック海運指数が年初来高値圏で推移しており、海運株にも買いが入りやすくなっている。
川崎汽船の収益はコンテナ船への依存度が高い。各社の減便もあり、コンテナ船の運賃が底堅いことも業績の追い風になっている。「荷動き次第では10月中旬ごろから運賃上昇を見込める」(JPモルガン証券の姫野良太アナリスト)との見方もある。9月に劣後ローンで300億円を調達し、財務面への不安が和らいだことも買い安心感につながった。
シンガポールの投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが4割弱を保有する。「株式の流動性が低く、ボラティリティー(変動率)が高い傾向がある。買い戻しで上昇が加速している」(国内投資顧問)との指摘も聞かれた。