関電、美浜町で住民と懇談会「新たな金品問題、おわび」
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関西電力は8日、美浜原子力発電所のある福井県美浜町で住民らと意見交換する原子力懇談会を開いた。2005年度から毎年実施しており、今回で15回目。19年に役員による金品受領問題が発覚して以降初めての開催となる。
会の冒頭で関電の森本孝社長は「また新たな金品受領問題が見つかり、改めて深くおわび申し上げる」と陳謝したうえで「美浜は当社の原子力発電発祥の地。町民のみなさまと共に歩み地域の発展に貢献していく」と話した。
意見交換は2時間ほど実施。地元側からはわかさ東商工会会長や美浜町漁業協同組合組合長など、オブザーバーを含めて16人が参加した。
会合後に記者会見した住民の一人は「特筆すべき産業がない美浜だが原発で恩恵を受けてきた。地元の経済には関電は不可欠な存在だ」と発言。オブザーバーとして参加した美浜町の戸嶋秀樹町長は「安全を最優先したうえで再稼働してほしいという声が多かった印象だ」と振り返った。
森本社長は終了後に記者団の取材に応じ、「半世紀にわたり原発に携わる美浜の方から直接意見をいただきたいへん感謝している。期待に応えられるよう信頼回復に努めたい」と決意を示した。一方、「2度とこういう(金品受領のような)ことがないようにしてほしいという厳しい声もあった」と語った。