新潟・長岡の小学校でSDGs、洪水からの復旧学ぶ

新潟県の長岡技術科学大学は8日、長岡市内の小学校で防災教育に関する出前授業を実施した。授業では東京電力ホールディングスと共同開発した実験キットを使った。洪水などの水害時にブレーカーを落としてから避難すれば、電気の復旧が早くなることを教えた。
長岡技科大と東電は2月に防災などの連携協定を結んだ。共同研究ではSDGsに沿った教材開発を進め、被災してもすぐに復旧できる地域の回復力向上につなげる。
初回は栖吉小学校の5年生に、同大学の山口隆司教授や学生らが大雨などの被災時に起きることを説明。「ブレーカーを落とさず避難した場合」に電気の復旧が遅れるほか、火災の原因になることを解説した。
授業では電源タップなどを用いた実験キットを机ごとに設置。仮に1階が浸水しても、該当するブレーカーを切っていれば2階や3階で電気が使えることを示した。
災害教育の教材はまだ少なく、実験キットもないという。今後も小学校などでの授業を通じて情報を集め、2022年には教材化を目指す。山口教授は「簡易的に災害を再現して意識を高める、防災ワクチンを確立したい」と意気込む。