必ずまた飛ぶ コロナ禍のパイロット、見果てぬ空への夢
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東京・西新宿の高層ビルの18階。窓ガラス越しに広がる青い空を、旅客機が白い腹を見せて滑っていく。IT企業のオフィスで会計のエクセル表を作っていた派遣社員の井ノ口孝史さん(46)は窓にちらりと目をやると、パソコンのキーボードの手を止めた。「必ずまた飛ぶ」。音もなく遠ざかる機体に誓った。
目を閉じれば、プロペラ音と波のさざめき、南国の香りがよみがえる。半年前まで太平洋に浮かぶ人口2万人弱のパラオ共和国...
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