三菱電機、AIで鉄道内の密回避 静岡で実証実験

三菱電機は8日、鉄道車両内の混雑度や翌日の混雑度合いを予測する実証実験を始めると発表した。静岡市が取り組む次世代交通サービス「MaaS(マース)」プロジェクトの一環で、静岡鉄道が運行する鉄道車両の利用者を対象に11月2日から開始する。混雑度の通知により、利用者自身が密集や混雑を避けられるようにする。
駅構内と鉄道車両内に設置した防犯カメラの映像を独自の人工知能(AI)技術で解析し、現在の車両内の混雑度を計測する。乗降実績などのデータも使って、直近や翌日の混雑度も予測する。計測結果や予測結果は駅構内のデジタルサイネージやMaaSプロジェクトのホームページ、スマートフォン向けアプリで通知する。
翌日の混雑度と連動したデジタルクーポンも発行する。デジタルサイネージに表示する2次元バーコードをスマホアプリで読み取ると、クーポンを取得できる。
クーポンは実証実験に協力する静岡市内の飲食店や小売店などで使える。割引率は翌日の混雑度予測に応じて3段階で変動する。混雑度が低いほど割引率を高く設定しており、車両内の密集や混雑を回避しつつ、消費活動の活性化につなげる。