米財政出動の遅れ懸念 FOMC「景気回復ずれ込む」

2020/10/8 4:01
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9月の米FOMC議事要旨で財政出動の遅れに懸念を表明した(FRBのパウエル議長)=ロイター

9月の米FOMC議事要旨で財政出動の遅れに懸念を表明した(FRBのパウエル議長)=ロイター

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は7日公表した9月15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で「追加の財政出動がずれ込めば、景気回復のペースも遅くなる」と議会の混乱に懸念を表明した。金融政策は量的緩和の拡充が次の焦点だが「数カ月は現状のペースで買い入れを続ける」とするにとどめた。

9月中旬のFOMCでは、少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持する方針を示唆した。声明文にはゼロ金利の解除の条件として(1)完全雇用に達する(2)物価上昇率が2%に到達する(3)インフレ率が2%を緩やかに上回る軌道を確保する――を明記した。

米経済は新型コロナウイルスによって、4~6月期に年率換算で前期比30%超のマイナス成長を記録したものの、7~9月期は大幅なプラス成長になったと推測される。FOMC参加者も「経済活動は想定よりも早く持ち直している」と指摘。財政出動が家計支出を支えたと分析したほか「企業投資も持ち直し始めている」と強調した。

失業率も4月に14.7%まで上昇した後、9月は7.9%まで下がり、FOMCは「3~4月に失われた2200万人分の雇用のうち、8月までにおよそ半分を取り戻した」とした。ただ、参加者は「失業者は当初の一時解雇ではなく恒久解雇が増えており、先行きの雇用改善のペースは鈍化する」と指摘。労働市場は「完全回復までの道のりは長い」と判断した。

経済の先行きのリスクとして、参加者の多くは「追加財政出動の遅れ」を指摘した。米政権と議会は7月末をメドに追加のコロナ対策の発動を目指していたが、選挙前の与野党対立で大幅に成立が遅れている。FOMC参加者は「追加の財政出動の規模が小さかったり時期が遅れたりすれば、経済回復のペースも想定よりもずれ込むだろう」と不安感を表明した。

FOMCでは金融政策面でも「あらゆる政策手段を用いる」と再確認した。先行きの焦点は量的緩和政策の拡充だが、議事要旨では「今後数カ月は現状のペースで買い入れを続ける」と指摘するにとどめた。何人かの参加者は「今後の会合で、資産購入プログラムを点検するのが適切だ」と表明し、米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の増額に含みを持たせた。

FRBは次回のFOMCを大統領選・連邦議会選の直後の11月4~5日に開く。開票の遅れなどで勝敗が決まらない事態も想定され、金融市場が混乱する可能性もある。

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