ファミマの3~8月期、最終赤字107億円 不採算店で減損
ファミリーマートが7日発表した2020年3~8月期の連結決算(国際会計基準)は、最終損益が107億円の赤字(前年同期は381億円の黒字)だった。同期間での最終赤字は初めて。新型コロナウイルスの感染拡大による収益の落ち込みを考慮し、不採算店を中心に減損損失を422億円計上したことが響いた。
売上高にあたる営業収益は前年同期比11%減の2356億円、本業のもうけを示す事業利益は31%減の321億円だった。事業利益は3~5月期(54%減の89億円)から減益幅が縮小した。生鮮品や冷凍食品の販売が増えて客単価は上がっており、店舗売上高は緩やかに回復しつつある。
同日の決算説明会で西脇幹雄取締役は不採算店などの減損について「新型コロナによる(収益への)阻害要因から脱却し、スピード感を持って事業運営をするには今のタイミングだと判断した」と説明した。年度途中での大規模な減損は珍しい。
21年2月期の連結業績見込みは、最終損益が前期比38%増の600億円、営業収益が11%減の4600億円とする予想を据え置いた。保有する台湾ファミリーマート株式の一部譲渡益が発生する。
同社は伊藤忠商事からの株式公開買い付け(TOB)が成立しており、22日の臨時株主総会を経て11月12日に上場廃止となる見込みだ。