JパワーとKDDI、ドローン使い風力発電を点検

JパワーとKDDIは7日、ドローン(小型無人機)を使って風力発電設備を点検する実証実験を行ったと発表した。ドローンを使えば、風力発電設備を点検する作業員の数や作業時間を減らすことができる。足元では風力発電を点検する専門の作業員不足が懸念されている。両社はドローンを使った点検の実用化を目指す。
実証実験は9月1日から30日まで実施した。Jパワーが保有する風力発電所のうち、3つの発電所で計38基の風車に対し実施した。まずドローンを遠隔操作し、風車の羽根を撮影。撮った画像をクラウドサーバーに送り、損傷部分を解析した。
ドローンを使った場合、風車1基を約20分で点検できた。使わない場合に比べ、点検時間を9割程度削減できたという。
実験に使ったドローンには、風車の羽根の周りを自動で飛行する技術を搭載した。ドローンを操作する作業員の負担も削減できたという。
風力発電を人が点検する場合、高所での作業は専門的な技術が必要で、作業員の数は限定されている。風力発電は導入の拡大が見込まれており、作業員のさらなる不足が懸念されている。今後は、人工知能(AI)を使った損傷部分の解析などの実証を進める。