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13カ月ぶり「悪化」脱却も低水準、8月の景気指数

内閣府が7日発表した8月の景気動向指数による基調判断は「下げ止まり」となり、13カ月ぶりに「悪化」を脱した。海外経済の回復を受け、輸出や生産が持ち直した。国内の個人消費や設備投資には停滞感が強く、指数の水準はなお低い。7~9月期の国内総生産(GDP)は外需がけん引し、年率14%程度のプラス成長が見込まれる。

景気の現状を示す一致指数(CI、2015年=100)は生産や雇用など10の指標から算出する。8月の指数(速報値)は79.4と前月から1.1ポイント上がった。

指数の動きから機械的に算出する景気の基調判断は19年8月から12カ月続いた「悪化」から「下げ止まり」に上方修正された。上方修正は「悪化」が「下げ止まり」に一時的に転じた19年5月以来1年3カ月ぶりだ。

「下げ止まり」は景気後退の動きがいったん止まっている可能性が高いことを示す。

8月は公表済みの8指標のうち、輸出数量指数や鉱工業生産など6指標が上昇に寄与した。海外経済の回復に伴い、米・欧・アジアの主要地域すべてで輸出数量が増加した。特に自動車関連の輸出が拡大しており、国内の生産にも波及した。

内需関連の指標は弱い。8月の小売業の商業販売額は前年同月比でマイナスが続き、一致指数へのプラス寄与度は小さかった。有効求人倍率と、設備投資の勢いを映す投資財出荷指数の2指標は前月を下回り、指数を押し下げる方向に働いた。

内需の停滞を反映して、一致指数の上げ幅は6月の3.2ポイント、7月の3.9ポイントから8月は1.1ポイントまで縮小した。新型コロナウイルスの感染拡大前(1月)の水準の9割も取り戻していない。

経済活動が制限された4~6月期の実質GDP成長率は、前期比年率でマイナス28.1%と戦後最大の落ち込みとなった。7月以降は内需主導での経済回復が期待されたが、実際には夏場の感染再拡大で個人や企業の心理が悪化し、内需が伸び悩んだ。海外経済の回復ペースは早く、結果として外需が日本経済を引っ張る形となっている。

日本経済研究センターが毎月まとめる民間エコノミストの経済見通し「ESPフォーキャスト」でも内需の失速が目立つ。7日まとめた10月分では20年7~9月期のGDPが予測平均で前期比年率14.15%増と9月調査(14.07%増)とほぼ同じだったが、内訳が変わった。

GDPへの内外需の寄与度予測をみると、9月時点では内需が8.57%、外需が5.50%寄与する見通しだった。10月分では内需の寄与度が7.60%に下がり、外需の寄与度が6.55%に上がった。個人消費と設備投資の予測が下振れした一方で、輸出は上方修正されたためだ。

予測では10~12月期は4.75%、21年1~3月期は2.91%と成長率が鈍化していく。冬に向けて国内で再び感染が拡大すれば、個人消費や設備投資の回復ペースはさらに鈍るおそれがある。今のところ堅調な海外経済にも、感染の再拡大や米大統領選などのリスクがくすぶっている。

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