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キルギス政治危機 「統治者不在」 野党勢力が分裂

経済にも混乱波及

【モスクワ=石川陽平】議会選の結果を巡り政治危機が続く中央アジアのキルギスで7日、一部の野党勢力が体制移行に向けて新たな政治組織を発足させた。現職のジェエンベコフ大統領、野党勢が6日設立した「調整評議会」と合わせて3つの政治組織が並立するが、いずれも実権を持たない。「統治者不在」の混乱状態となっている。

6日、ビシケクの政府庁舎前で国旗を振る抗議デモの参加者=AP

野党勢のうち「改革」や「メケン・ウィントィマグィ(祖国の調和)」など5党が7日、新たに「国民調整評議会」を発足した。実業家のトクトガジエフ氏が自らこの評議会によって暫定的に選ばれた首相代行になったと主張した。

6日には別の野党勢力が「調整評議会」を設立し、緊急に招集した議会で野党指導者の一人、ジャパロフ氏を次期首相に選出していた。「改革」など5党はこれに不満を強めていた。権力掌握に動く野党勢力が分裂した形だ。

大統領府によると、ジェエンベコフ大統領は7日、国民向けにメッセージを発表し、野党勢力に武力を行使しない考えを表明し、情勢の安定に向けて協力するよう呼びかけた。同大統領は野党勢力の抗議デモについて「違法な政権奪取の試み」と批判していた。

経済や社会活動にも混乱が広がっている。ロシア通信によると、金融当局は7日、銀行に営業を一時停止するよう勧告したことを明らかにした。税関機能も一部停止した。インタファクス通信によると、ビシケクにある金採掘会社クムトールの事務所には身元不明の20~30人が侵入した。

4日投票の議会選は比例代表制で争われ、政権に近い政党が圧勝した。参加した16党のうち議席を獲得したのは4党で、このうち野党系は1党だけだった。野党勢力は不正行為があったとして5日から6日未明にかけて抗議デモを行い、政府庁舎などを占拠した。6日には選管当局が選挙結果を無効と発表した。

旧ソ連の構成国だったキルギスでは1991年の独立以降、部族間の争いや貧困を背景に2度の政変があり、大統領2人が亡命した。2005年の議会選後には、権力集中や汚職問題に反発した抗議デモでアカエフ初代大統領が辞任し、亡命した。後任のバキエフ大統領も10年、同じように国外に脱出した。

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