ドイツ、年24日の在宅勤務権 労働相が提案

ドイツ政局
2020/10/7 17:00
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【ベルリン=石川潤】ドイツのハイル労働・社会相が、働く人に少なくとも年24日の在宅勤務を要求する権利を認めることを提案した。法制化して、企業は特別な理由がなければ拒否できないようにする。コロナ禍で広がった在宅勤務を定着させ、働き方をより柔軟にしていく狙いがある。

年24日の在宅勤務権を提案したドイツのハイル労働相=ロイター

年24日の在宅勤務権を提案したドイツのハイル労働相=ロイター

中道左派のドイツ社会民主党(SPD)出身のハイル労働相が今月に入って地元メディアに語った。メルケル政権は中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)とSPDによる連立政権だ。経済界に近く慎重論が強いCDUと歩み寄れるかが焦点になる。

独労働省の調査によると、ドイツでは7~8月に労働者の36%が在宅で勤務した。約1460万人に相当し、1年前の24%から大きく上昇した。在宅勤務者の87%が「とても満足」か「満足」したと答えたという。

新型コロナウイルス禍をきっかけに多くの業種で在宅勤務が可能と分かったことが、法制化の動きを後押ししている。在宅勤務によって休日や深夜の労働が増えないように、勤務時間を電子的に記録するように義務付けることも法案に盛り込む。

年24日の在宅勤務は月に換算すればわずか2日だが、子持ちの共働き世帯であれば、どちらかの親が週に1度は自宅で働けることになる。多忙な子育て世代の負担軽減につながるというのがハイル労働相の考えだ。

労働組合には「年24日は少なすぎる」(ドイツ労働総同盟)との意見がある。一方で企業寄りのCDUからは、働き方改革は労使協議に任せるべきで法制化はなじまないとの声が聞かれる。

コロナ禍で業績が悪化する中小企業のさらなる重荷になるとの懸念もある。在宅勤務を利用しやすいホワイトカラーと、利用しにくいブルーカラーの格差の拡大をどう避けるかも課題だ。

在宅勤務権はフィンランドやオランダといった欧州の一部ですでに認められている。米国では優秀な人材の確保や生産性の向上につながるとして企業主導で在宅勤務が定着している。

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