トレンドマイクロ、大規模制御システムのサイバー対策

トレンドマイクロは7日、工場や電力プラントなど大規模な産業制御システム(ICS)向けのサイバー対策機器「エッジIPSプロ」シリーズを発表した。同シリーズと接続する制御機器のセキュリティー上の欠陥を仮想的にふさぎ、サイバー攻撃を防ぐ。大規模工場などを狙うサイバー攻撃が散見されるなか、ICSの稼働に影響を与えにくい仕組みで、安全性を高められると顧客に売り込む。
エッジIPSプロは制御システムのネットワークにつなぐ通信機器の一種だ。配下に接続した制御機器にセキュリティー上の欠陥があるときに、仮想的に欠陥をふさいで防ぐ「仮想パッチ」と呼ぶ機能を搭載する。
セキュリティー上の欠陥には本来、パッチと呼ばれる修正プログラムを速やかに適用することが望ましいとされる。ただ、ICSを使う現場は一般に修正プログラムを適用したため、システムの稼働が不安定になる恐れを嫌う傾向がある。エッジIPSの仮想パッチで防げると提案する。
機器1台で12台の制御機器を保護する「エッジIPSプロ1048」と、48台を保護する「同2096」を用意する。スイッチと呼ばれる通信機器と組み合わせれば、接続台数を増やすこともできる。
導入した最初の1年間の価格は1048が税別302万5000円から。2096が同467万5000円から。2年目以降はハードの保守費用やサイバー対策機能の年間ライセンス料金がかかる。1048は11月9日、2096は2021年2月1日にそれぞれ受注を開始する。(島津忠承)