/

持続化給付金の不正受給 軽い気持ち、代償大きく

新型コロナウイルス対策で個人事業主に最大100万円を支給する国の持続化給付金を巡り、全国の消費生活センターに不正な申請をした人や関係者が「金を返したい」などと相談するケースが相次ぎ、9月末までに少なくとも173件に上ったことが、共同通信の取材で分かった。

国の持続化給付金申請サイト=共同

年代が判明した事例のうち大半が10~20代の若者で、安易に関わった後、報道などを通じて重大性に気付いた結果とみられる。

「もうかるからやってみなよ」。大阪府の男子大学生(19)が飲食店のアルバイト仲間に紹介されたのは税理士を名乗る人物だった。LINE(ライン)のやりとりで申請書類の作り方を教わり75万円を受給。うち25万円の手数料を支払った。

7月、自宅に届いた給付通知を親が見つけた。注意され、返還する意向だが、既に50万円を使い込んでいた。指南した「税理士」とも連絡が取れない。男子学生は「仲間内では返還せず逃げ切ろうとしている人も多い」と話している。

関東の消費生活センターの担当者は「友人も不正をしていて抵抗感がなかったり、制度を理解せず言われるがままだったりする若者が多いのではないか」と推測する。

沖縄県のセンターによる聞き取りでは、不正受給額は上限の100万円が大半だった。指南役らに取られた手数料は10万~60万円ほどで開きがあった。担当者は「実態は手数料を得る仲介者の不正受給だ」とみる。

不正が発覚した場合、申請者は支給額と年3%の延滞金を足した金額をさらに2割増しして請求される。「100万円を不正受給し、国から返還請求されれば、少なくとも120万を返す必要がある。40万円の手数料を取られ、60万円しか手元にない申請者にとっては、倍返しだ」

中小企業庁は9月28日までに、中小企業や個人事業主に約340万件、約4.4兆円を給付した。7割近くが申請から14日以内と、未曽有の事態における「スピード重視」の姿勢がうかがえる。

申請には2019年の収入が分かる確定申告書の控えや20年の売り上げデータなどが必要だが、捜査関係者は「多少の知識があればうその申告は容易」と話す。

中小企業庁の担当者は「厳格に調査し返還請求する。逃げ得は許さない」と強調するが、専門家は「不正受給はあまりに多く、回収できないケースも出る」と指摘する。〔共同〕

返金手続き一部停止、希望殺到で


 新型コロナウイルス対策で個人事業主らに支給される持続化給付金を巡り、不正受給者から返還希望が殺到していることを受け、国は返金手続きの一部を7月から停止している。希望は受け付けているが、誰の返金かを明確にするため個別に受付口座を準備中で、振り込みを待たせている。
 中小企業庁によると、専用のコールセンターで返還希望を受け付け、10月下旬ごろをめどに返金の方法を郵送で案内する方針。当初はいずれの受給者も同じ口座に振り込ませていたが、名義の入力を誤るケースが続出。7月はさらに希望者が増え、入金後の確認作業が煩雑になったため、返金方法を見直した。
 同庁は「今後の調査に支障が出る」として返還を希望する人の具体的な人数を明らかにしていない。〔共同〕

すべての記事が読み放題
まずは無料体験(初回1カ月)

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン