人類の前進力、コロナ禍のマイナス成長でも変わらず
積立王子への道(15)

積立王子
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2020/10/8 2:00
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投資の世界で「積立王子」のニックネームを持つ筆者が、これから長期投資に乗り出す後輩の若者にむけて成功の秘訣を伝授するコラムです。

コロナ禍は長期戦だけど永遠には続かない

コロナ禍は残念ながら当初の想定よりずっと長期戦になった。感染拡大がいまだ収まらない中、未知のウイルスに対する恐怖がまん延し経済活動を萎縮させている。欧州では感染が再拡大し「第2波」への不安が高まっている。だがこの恐れが永遠に続くわけではないと思う。

処方薬の整備は進み、ワクチンの完成もそう遠くはないだろう。それに感染者は多いが致死率は必ずしも高くはない。マスクや手洗いなど予防対策の定着とともに、人々は徐々にウィズコロナを受容しつつある。

人の欲求は永遠になくならない

一方、永遠になくならないものが人の欲求だ。抑圧された反動もあって、人々の自由闊達な活動意欲は大いに高まっている。9月のシルバーウイークでの予想以上の人出や「Go To キャンペーン」の盛り上がりなどを見ても、世の生活者は開放的で楽しい豊かさをいつも強く求めていることが分かる。

確かに今年の世界経済はマイナス成長だが…

足元をみれば世界中で経済がへこみ、企業業績も全体としては悪化したまま。今年の世界経済の成長率は大恐慌以来のマイナス5%程度に急収縮することになるだろう。こうした現状だからこそ、大事なのは「今」を見て受動的に悲嘆に暮れるのではなく、能動的に「先」を見通す意志を持つことだ。

世界の株式市場は将来を見通している

だからこそ世界の株式市場は値を保っているんだ。コロナ収束後に人類は以前のように自由闊達に楽しみ、豊かな生活をもっともっとと求め続けるだろうという本質、それを喝破しているわけだ。そして忍耐生活があった分、反動も加わって景気回復と経済成長の軌道は急カーブを描くはず――。マーケットはそう織り込んでいるんだ。

長期投資は経済の本質を養分に育つ

無論、足元の株式市場が楽観的過ぎる可能性はある。想定外の感染拡大を伴う第2波で再び経済が停滞すれば、ろうばいして再下落するかもしれない。しかし目先の動きよりはるかに本質的なこと、それは、世界中の人々がより豊かで、より幸せに、より楽しくすてきな生活や人生を希求し続けるということだ。その前提がある限り、困難は都度、克服され経済成長を実現し続けていく。結果として長期投資に回したお金は成長を養分に相応に育っていく。

以前にも伝えたけど(新型コロナを機に考える「本物の投資」とは?)、アフターコロナには新たな社会構造が形作られるだろう。その時、さらなる発展成長の原動力となる経済のダイナミズムそのものに自らお金を通じて参加するのが「本物の投資」なのだ!

中野晴啓(なかの・はるひろ)

セゾン投信株式会社代表取締役会長CEO。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。『預金バカ』など著書多数。
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